肩こりの原因・肩こりが原因に纏わる疑問に専門家としてお答えします

 
厚生労働大臣免許保有者責任編集

当ページをご覧の方は、肩こり首こりで心底お悩みの方が多いと思いますが、肩こり“ぐらい”で・・・なんて思ってしまっているであろう多くの方が勘違いしている肩こり情報を、いくつかに分けてQ&A形式で紹介していきます。

肩こりの仕組み編

肩こりの原因のウソ・ホント

顔のむくみも肩こりが原因説

顔のむくみを肩こりが引き起こしてしまうことはあります。

肩こりは首や頭、そして“顔コリ”にも直結します。デスクワークやスマホを見ながらの下向きの姿勢は自然と歯を噛みしめるので顔がこり、血の巡りもわるくなってむくみだけでなく、くまやくすみの原因にもなります。ちなみに首の横ジワも肩こりからくる広頚筋の寄りジワです。

顔コリで悩む人は意外と多い

一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、慢性的な肩こりにお悩みの方は首や肩の凝りだけでなく「顔こり」「頭こり」「胸こり」「脇こり」などにお悩みの方もいらっしゃいます。

実際当院にはそのような患者さんが多数ご来院しています。みなさんもご存知のとおり、体は全部つながっています。解剖学的にいえば体は筋膜によって全身がひとつながりになっているのです。ですので一見離れているように思える箇所も実は関連性があるというのはごく自然なことなのです。

頭痛が原因で肩がこる

肩こりから頭痛になることは実際多いので、どちらとも言えませんが、偏頭痛から肩こりになるケースは確かに多いです。緊張性頭痛の症状として感じる人もいます。

慢性的な肩こりが、頭痛や吐き気を招くことも珍しくありません。肩こりは複合的な要因によって発症する不調症状のひとつです。自己判断や軽視せずに治療を受けましょう。

痛みにはペインスパズムサイクルという考え方があります

ペインスパズムサイクルの説明図

慢性化する痛みは、このような負のスパイラルに陥っているケースがあります。この図にありますように、痛みから筋緊張、凝りへとつながってしまうことは実際にあります。

注意していただきたいのは、痛みというは体から異常事態を知らせるサインだということ。特に頭痛には重大な病気が隠れている可能性があります。いまはロキソニンをはじめ病院へいかなくても第1種の薬が手軽に購入できるようになりましたが、頭痛でお悩みの際はできるだけ医療機関を受診してください。

寒い時期ほどこりやすい説

寒いと前かがみになり肩をすくめがちなので、力が入りやすくなるのは確かです。

ですが、寒さに限りません。季節の変わり目である春や秋、梅雨入りも肩こりシーズンです。自律神経の乱れからくる肩こりもありますから、気圧に変動によって影響を受けやすい時期=こりやすい時期といえます。

夏は薄着で首肩が無防備な状態ですが、そこにエアコンの冷たい風があたり冷えて筋肉が硬直してしまうということがあります。また、患者さんから電車やショッピングモールのエアコンが強くて凍えてしまうという声をしばしば耳にします。夏は外にいたら熱中症、室内では寒すぎてしまうという温度調整の難しさがあり、そこから不調につながってしまいがちです。環境温度の寒暖差が大きいと自律神経の乱れも生じやすくなってしまいます。空調機能が発達した現代ならではともいえるでしょう。

人体は環境の変化に影響を受けやすいのです。気温だけでなく、気圧や湿度の「変化」に体は反応します。日本には四季もあり、外部環境に変化が生じやすいため、こういった観点からも私たち日本人に肩こりが多いのでしょう。

ストレスがたまると肩こりもひどくなる説

「病は気から」といわれるように、カラダに悪影響を及ぼすストレスが肩こりの原因になっているケースは多いです。

ストレスが高いと体は緊張状態になり、常に歯を食いしばるため、首や肩に大きな負担がかかります。ですので気持ちのリフレッシュはとても大切です。

肩こりの原因は3つありますが、それらは独立していない

肩こりの原因として肉体・自律神経・精神の3つがあります。これら3つはそれぞれが独立したものではなく、相互に関連し、影響しあっています。ストレスと肩こりを考えるうえで重要なのが自律神経です。

肉体の状況を絶えず監視して脳に連絡する自律神経は、体の恒常性維持機能としても働いています。肉体的な管理だけでなく、精神の状態を肉体に反映させる働きもあります。ですので、自律神経は肉体と精神を結び付けるはたらきがあるとも考えることができます。健全なる精神は健全なる身体に宿る、心身相関という言葉があるように、肉体の不調が精神の不調につながることはありますし、その逆もあります。

肩こりなんて気のせいであるという説

ストレスが元になっている肩こりは実際にあります。それ故「肩こりは気のせい」といわれることはあります。すべての肩こりが気のせいであるとは絶対に言えません。

精神と肉体はつながっていますから、はじめは精神の不調だったのが肉体の不調に波及してしまうということは多々あるわけです。

例えば、ストレスが元による胃潰瘍。これは精神的不調が肉体の不調として顕在化してしまう例です。

ストレス→胃酸分泌過多(攻撃因子増)・粘膜保護成分分泌低下(防御因子減)→胃粘膜損傷→潰瘍形成・・・という流れです。

さすがに胃潰瘍を「気のせい」とする人はいないでしょう。

胃潰瘍は胃粘膜の形状変化が目視で確認できるためわかりやすいのですが、肩こりはそのような確認が困難です。ですから「気のせい」と片付けられやすいのです。

肩こりは、姿勢や筋バランスといったフィジカル面の問題だけでなく、ストレス元となって生じることは少なくありません。肩こりを解消・予防するためには、ストレッチや体操といった肉体面への対処だけでなく、ストレスへの対処をすることも重要です。現代社会において、ストレスを完全に無くすということは不可能です。ですので、ストレスをため込まないための工夫やリフレッシュ方法の体得も併せて意識するようにしましょう。

肩こりは血行不良が原因?

血行不良による肩こりもありますが、最新の医学では、それだけではないことが分かってきました。血行不良を改善すれば治る説はもはや過去の話。常識が変わりつつあります。

これまでは肩こりの病態は血行不良、つまり形態的変化がないのもとされてきていましたが、近年では肩こりの部位に筋膜の形態的異常や異常な毛細血管の増殖が生じてしまっていることがわかってきています。

筋膜の形態的異常はレントゲンや一般的なMRIでは可視化できず、精度の高いエコーや特殊なMRIでないと観察できません。異常な毛細血管は血管造影という整形外科的には一般的用いられない手法によって可視化することができます。血行さえよくすれば肩こりは治るという考えはもう通用しないのです。肩こりを「気のせい」という精神的なものだけでは片づけられないように、肩こりには人によって異なるとはいえ明確な原因があります。それがハッキリすれば治るのです。

「外人は肩こり知らず?」「肩こりで死んでしまうことがあるって本当?」「肩こりは働き盛りの人特有?」「親が肩こりだから自分も肩こり?遺伝なの?」といった肩こりまつわる噂や説についてのQ&Aを以下にまとめました。

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