肩こりを科学するブログ

歯ぎしりや咬み合わせが悪いと肩や首が凝るって本当?

歯ぎしりや咬み合わせが悪いと肩や首が凝るって本当?

むし歯がないのに歯が痛い!!

肩こりからくる歯痛??

歯が痛いと肩が凝る・・・?

肩こり・首こりが歯痛の原因?

噛み合わせを治せば、肩こりが治る?

肩こりと歯痛、そして咬み合わせや歯ぎしりといった咬合異常と肩こり・首こりの関連性について、多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか?

しかしながら、その根拠は明確に示されていない場合がほとんどです。鍼灸マッサージ治療の現場においても「なんとなくみんなが言っているからそうなんだろう」という考えで発言している施術者も多いと思われます。

肩こり専門の治療家、そして研究者として、今回は文献を基に、その関連性を探ってみたいと思います。また、ガムの噛みすぎの問題点、首や肩への影響、正しいガムの噛み方についても触れていますので、是非お読みいただけたら、と思います。

正しいガムの噛み方

記事内容において一部専門用語が入っておりますのではじめに解説させていただきます。

咀嚼(そしゃく)口で物を噛むことです。摂取した食物を歯で咬み粉砕することです。
咀嚼筋噛むのに顎を動かすための筋肉です。咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つをいいます。機能上、舌骨上筋群を含める場合もあります。
咀嚼運動モノを噛む動きのこと。
咬合(こうごう)上の歯と下の歯とのかみ合わせのこと。

口の開ける、閉じる動作と首の関係

モノを噛む時には首に力学的負荷がかかります

頚椎は高機能

動物実験ではありますが、意識とは関係なく、噛み合わせ・咬合時には頚椎(けいつい)に負荷がかかることがわかっています。頚椎というのは首の骨です。人間の頚椎は7つの骨で構成されていますが、哺乳類の頚椎は大体みんな7つあります。首の長いキリンも頚椎は7つです。

キリンも人間も首の骨は七つ

噛む力はとても強いということ

噛む力というのはとても大きく、例えば肉を噛む時は、1平方センチ当たり約10~14キロもあります。ですから歯の表面が人体でもっとも固いエナメル質で覆われているんですね。モノを噛むと頚椎に負荷がかかると申し上げましたが、これも大きなカであることは何となくご理解いただけると思います。

頚椎しかし、人間の体は上手くできていまして、負荷をうまく分散させるような構造になっています。人間の頭の重さは大体5kgくらいあります。頭を上手く支える為に頚椎はまっすぐではなく緩やかにカーブしていて、7つの骨がスプリングのような構造をとっています。

これは、脳がきちんと働くようにするためです。つまり、どんな体勢でも脳がきちんと機能するように、体は頭をなるべく平衡に保とうとするのです。そして、モノを噛む時にかかる負荷も分散、吸収するようになっています。

具体的にどのように頚椎に負荷がかかるのか?

  • 片側で噛んだ場合は非作業側(噛んでいない側)に負担がかかる。つまり、右側の歯で噛んだ時は頚椎の左側へ負担がかかり、反対も然りとなる。
  • 片側で噛んだ場合、非作業側に頭部を傾ける力が作用する事となる。
  • 非作業側(噛んでいない側)では、第3および第7頚椎は頭部が片側に傾斜するのを防ぐ支点となる。
  • 作業側(噛んでいる側)では、犬歯で木片を噛ませたときには第2頚椎が、第1大臼歯で噛ませたときは第4頚椎が、片側に傾斜するのを防ぐ支点として働く。
  • 咀嚼運動において、頚椎にかかる力学的負荷は第6頚椎に最も集中する。

ちょっと複雑ですね。

もっと簡単で、わかりやすく説明します。

食事の際、両側同時や同じ配分でモノを噛む方はとても少ないと思います。ほとんどの方が左右どちらかの歯で噛むと思います。左右どちらかで噛むと いうことは、首が傾くような力が無意識に加わっているということです。それにも関わらず首が動かず直立を保っていることができるのは、首周囲の筋肉が働き、その動きを制御しているという事なのです。

つまり、癖や口の中の痛みなどでどちらか一方のみでモノを噛み続けると、頚椎や頚部の筋肉の一定部位にも継続的に負担がかかることとなります。

[参考文献1] 咬合力に対するサル頚椎の力学的反応 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001723670/

噛む時だけではなく、口を開ける時にも首に負担がかかります

モノを食べている時の骨と筋肉の動きに着目してみると、一見、顎の関節のみが動いているように感じます。しかし、詳細に分析をしてみますと、その力学的運動軸は顎関節ではなく、7つある頚椎の骨の上から2番目に位置する第二頚椎の歯突起部にある、ということがわかっています。1番目と2番目の頚椎は以下の頭のようになっています。

第一頚椎と第二頚椎

第二頚椎は、このように特徴ある形状で軸椎とも言います。この歯突起というのは 「のど仏」(火葬場で拾うお骨の方です。喉にある膨らみも喉仏といいますが、あれは軟骨です。)です。その部位は本来、矢状面(体を横から見た面)上を回転するための構造はしておらず、顎の動きと同様に動く関節としての機能はもちあわせていませんが、回転する力が作用します。

あくびをする時など自然と顔面は上を向きますし、むちうち症などで頚椎を損傷した時に開口時や閉口時に頚部に痛みを感じることから、実際においても、開閉口運動に上部頚椎が関与していることが考えられます。

注目すべき点として、噛み合わせは閉口動作に着目されますが、実は開口動作も重要です。だらんと力を抜けば重力に引っ張られて口があくため、口を開くのに負担はないように思えますが、開口動作も筋肉が働き生じることとなります。首に対する力学的負荷も開口動作時を考えなければなりません。

開口閉口

開口時、外側翼突筋・舌骨上筋群が働きますが、それに伴い頭が前方へ引っ張られることとなります。しかし、モノをたべている時に頭が前後に動いている方はいませんよね。これは、物理の法則上、力が作用しているのに関わらず動きが出現しないということは、それと同じ強さの力が相反する方向に作用していることを意味します。つまり、口を開ける時、頭が前方にいくのを後方へ引っ張る力が見えない所で作用しているということです。これを担っているのが、首の深部に存在する後頭下筋群です。後頭下筋群は、しばしば頭痛をまねく頑固な首こりの原因となる筋肉です。

後頭下筋郡

首の筋肉は、意識のない所で姿勢を保つために作用しているため、異常な状態でなくとも負担のかかりやすい部分なのです。すごく大雑把な言い方ですが、肩こりの原因は、この首の筋肉の問題であることが多いのです。

[参考文献2] 顎関節症 –生理的咬合の判定基準– (歯科ブックレットシリーズ35) 著者:藤田和也 出版元:株式会社デンタルフォーラム社

顎関節症の方は姿勢も悪い

顎関節症と姿勢の関連性について調査した結果、顎関節症の方が健常者と比べて、前のめり(猫背)の姿勢になっている傾向があることがわかりました。

猫背になれば、当然頭部を支えるために首肩の筋肉は必要以上に疲労する事となります。つまり、肩こり・首こりとなりやすいといえます。

猫背となる原因が顎関節症とはいえませんが、顎関節症を患っていると同時に首こりを自覚する方が多いという事のひとつの理由になるのではないでしょうか。

[参考文献3] The relationship between forward head posture and temporomandibular disorders. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7488986

ものを咬む筋肉と首との深い関係

咀嚼筋が緊張すると首の筋肉も緊張する

顎関節症の患者さんは顎を動かす咀嚼筋の硬化や痛みと同時に首コリや痛みを自覚する事が多いため、咀嚼筋と首の筋肉の関連性を調べた所、咀嚼筋が 硬い人は僧帽筋と胸鎖乳突筋も同時に硬くなっていることがわかりました。

また、咀嚼筋を動かすと、同時に胸鎖乳突筋、舌骨上筋群、舌骨下筋群、頭半棘筋、頚半棘筋、多裂筋が共同的に収縮を起こすことがわかっています。

顎関節を動かす咀嚼筋と、肩こり・首こりにお悩みの方が硬くなっている頚部の筋肉は密接な関係にあるようです。

[参考文献4]Influence of masticatory muscle pain on electromyographic activities of cervical muscles in patients with myogenous temporomandibular disorders http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2842.2004.01266.x/abstract?deniedAccessCustomisedMessage=&userIsAuthenticated=false

[参考文献5]Anterior and posterior neck muscle activation during a variety of biting tasks http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1600-0722.2012.00969.x/abstract?deniedAccessCustomisedMessage=&userIsAuthenticated=false

咀嚼筋は一般的な筋肉の中でも特殊な存在だった!?

北海道大学 大学院歯学研究科 北川 善政教授の研究では、顎を動かす働きをする咀嚼筋の特殊な性質を示しています。

咀嚼筋は骨格筋に分類されていますが、特にヒトの咬筋は、手足の筋肉ではみられない心筋(心臓の筋肉)と同じ細胞の特徴を持っており、さらに咀嚼筋の興奮性には交感神経系の調節が関与していることがわかっています。

咀嚼筋

発生学上、咀嚼筋は鰓弓(さいきゅう)から分化するため、鰓弓筋ともいわれます。鰓弓筋は、他に呼吸や嚥下(えんげ:食物を飲み込むこと)に関わる筋肉、つ まり生命を維持するために重要度が高い部分を構成する筋肉が該当します。例えば呼吸は意識的(随意運動)に行うこともできますが、通常は無意識的 (不随意運動)に行われています。

嚥下も喉元までは舌による随意運動ですが、その先は不随意運動となり胃まで食物を運びます。 考察となりますが、無意識的に歯を喰いしばったり、歯ぎしりをしてしまうのも咀嚼筋が鰓弓由来であり不随意運動を行う要素を持ち合わせているからかもしれません。

そして、肩こり・首こりでつらくなる僧帽筋や胸鎖乳突筋なども鰓弓筋であるため、上記であげさせていただいたように、咀嚼運動と首の筋肉が同時に 興奮するなど密接な関係にあるのではないかと考えられます。鰓弓由来の筋肉は、手足に存在する一般的な骨格筋と分子レベルで構造が異なっていることがわかっています。

咬合異常(噛み合わせ・ブラキシズムなど)と肩こり・首こりが関連づけられるは、単に経験則ではなく解剖学・生理学・運動学の観点から考察すると あながち間違いではなさそうです。

[参考文献6]顎変形症の成因に関する咀嚼筋の筋病理学的研究 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/17659621.ja.html

[参考文献7]除神経嚥下筋におけるエネルギー代謝と筋病理学的解析 http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2011/seika/C-19/10101/22659361seika.pdf

[参考文献8]鰓弓筋の発育と筋蛋白質の分化 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/12771094.ja.html

咀嚼筋を支配している神経も特殊である!

通常、骨格筋(手足など自らの動かすことのできる筋肉)は交感神経の働きによって血流が増加します。しかしながら、咬む筋肉は副交感神経性血管拡 張神経の働きによって血流が支配されていることがわかりました。

これはどういうことかといいますと、ストレスがかかっていたり、体が冷えている状況では、顎の筋肉の血流が悪くなります。それが、痛みなどの原因 となる可能性があるということです。

また、咀嚼筋は交感神経が活発に働くと緊張が増すという研究結果もあり、自律神経と密接な関係にあることが示されています。

原因不明の歯痛や難治性の三叉神経痛・顔面神経麻痺、肩こりなどの処置として首肩を温めることが推奨されますが、これは単に局所の血流を良くする ためだけではなく、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にすることも大きな目的です。ペインクリニックでは、そのような症状に対して星状神経 節ブロック(交感神経の働きを抑える注射)が行われる事もあります。

このような事から、顔・顎・首周辺の痛みやコリに関しても自律神経が非常に密接に関わっていることが考えられます。

[参考文献9]Evidence for parasympathetic vasodilator fibres in the rat masseter muscle http://jp.physoc.org/content/569/2/617.full

[参考文献10]咀嚼筋の分化と痛みに対する交感神経活動の影響 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/22592203.ja.html

ただし、これらは医学的根拠であるとは、まだ完全には言い切れません。

これまでは噛み合わせ・咀嚼運動と頚椎・首周囲の筋肉との関連性を示してきましたが、否定的な文献もあります。

[参考文献11]The association between the cervical spine, the stomatognathic system, and craniofacial pain: a critical review.

この文献では、数々の文献をまとめて総合的に評価するメタ分析(メタアナリシス)を行っています。総評として、当領域の各文献のエビデンスレベル が低い事があげられており、歯科領域と首から上部の痛み・不快感との関連性は現段階の研究では必ずしも確定的とはいえないという結論に至っています。

痛み、症状の感じ方というのは、あくまで自覚症状です。自覚症状は錯覚や思い込みの影響が少なくないために、判定には聴取を行う事がとても大切なのです。信頼性を高めるためにはできるだけ多くのサンプル数が必要になりますが、それには大変な労力がかかります。時間も必要です。だからこそ、患者さんとの向き合う時間は、本当に大切です。

ガムを噛む=健康によい・・・と思い込んでいませんか?

難しい話が続いてしまいましたので、噛むことと首や肩との関連する話で、身近な話をしたいと思います。

よく噛んで食べなさい!!誰もが子供の頃言われることですが、よく噛んで食事をすることはとても大切なことです。

健康のためにガムを噛むということ

仕事中にリラックスや集中など何かしらのメリットを期待して長時間にわたってガムを噛み続けている方は多いと思います。

ところが、体に良い事をしているつもりが知らず知らずのうちにかえって首に負担をかけてしまっている可能性があります。

ガム噛みすぎ

噛むことはとても大切!!健康維持には絶対に必要です。

ガムを噛む事による健康増進効果が宣伝されています。特保マークのついた商品もよく目にします。

一般的に提唱されているガムを噛むメリット

  • 唾液分泌が増加する→口臭予防・虫歯予防・免疫力アップ・癌予防
  • 顎を動かすことによって血流が増加する→脳が活性化する
  • 嗜好品として→ストレス解消・リラックス
  • 満腹中枢が刺激される→ダイエット

などがあげられます。

調査をしてみると、確かに咀嚼運動によって脳内血流が増加することや、自律神経の乱れが整うという文献が存在します。そして、唾液には免疫グロブリンや、殺菌・消毒効果のある酵素が含まれることもわかっています。しかしながら、それを免疫力アップ・癌予防と結びつけるのは一考が必要です。

免疫力アップと聞くと病気にかからなくなるようなイメージを持つかもしれませんが、唾液によるものはあくまで「食物からの感染を防止する」という 事が主な目的となります。血液中の白血球数や免疫グロブリンの量が増え、全身的な免疫力が向上して感染症への耐性が増すのではないのです。

癌予防効果については、唾液に含まれる一部の酵素が発ガン物質の作用を低下させるのではないかと言われていますが、この真相は定かではありません。唾液の作用としてはあくまでも消化の補助と口の中の殺菌・消毒です。また、ガンは非常に複雑なメカニズムによって形成され、発ガン物質があれば必ずしも発症するわけではなく、反対に発ガン物質が体内に入らなくても発症します。ガムを噛み、唾液が分泌され、ガンを予防する効果がどれほどあるのか・・・医学的にはかなりあやふや状態です。

ガムを噛む事によって血流改善や唾液分泌量が増えるのは良い事です。だからといって免疫やガンにまで話が及ぶのは・・・行き過ぎだと思います。

インターネットで調べてみますと、ガムを噛むと良い事ばかりといった宣伝広告が目立つので、つい否定的な側面を記してしまいましたが、多くの方がガムを噛む目的は「口臭予防」「虫歯予防」「リラックス」と思います。こういった効果は『顎を適度に動かして、なるべく多く唾液を分泌させる』ことによるものです。

噛みすぎは禁物!!頭痛の原因にも・・・

ガムは歯のためだけでなく、口臭予防、禁煙のため、噛む筋肉を鍛えての小顔効果を期待、満腹中枢を刺激して食事量を減らすダイエット目的で噛む人も多いでしょう。目的があると、どうしても必要以上に長時間ガムをかみ続けてしまうと思います。しかし、これは咀嚼筋を疲労させますし、首にも負担をかけることになります。咬みすぎるということは、歯ぎしりや食いしばりにも同じことがいえます。わかりやすい体への弊害としてこめかみ部分の頭痛(いわゆる緊張性頭痛)があります。これは側頭筋が疲労・硬化することに起因することが多いです。

日々、肩こり、首こりでお悩みの患者さんの治療を行っている者としての経験的な考えではありますが、咀嚼筋をほぐすと首の筋肉も緩みます。ですので、首肩こり治療においては、当院では必ず手を加える部分であります。

正しいガムの噛み方

“正しい”は過剰な表現ではありますが、せっかく健康のためにガムを噛むわけですから、長時間噛みつづけて顎や首に負担をかけたくはないはずです。顎や首への負担を抑え効率よく唾液を分泌させるようなガムの噛み方について考えてみました。

ガムを噛み始めて最も唾液が分泌するのは30~60秒で、その後150~180秒ほどで一定となるデータが出ています。「顎を鍛えるために積極的に噛むトレーニングをする必要がある」というのは下顎が成長する可能性のある20代までで、それ以降は必要以上に負担をかけてしまう方が問題点とされる事が多いそうです。そのため子供から20代までは顎を鍛えるために積極的に咀嚼運動を促す必要があり、30代以降は長時間ガムを噛み続けて しまうのも注意が必要です。持続的な咀嚼運動に伴い周囲の筋肉が疲労するという点も考慮して、推奨するガムを噛む時間は、一般的なガムの味が無くなる5分間程度が望ましいといえます。しかし、歯科医が薦めるガムの噛む時間は10-20分のようです。

そこで、ここからが重要なポイントです。

味が無くなったガムは噛まずにそのまま口の中に残しておき、奥歯と頬の間に留めておきます。そして、会話をしない時などは、舌の上をコロコロと転がします。唾液は必ずしも咀嚼運動を伴わなくとも分泌されます。噛まずとも口の中ガムを留めておく事で、体がガムを異物と認識し唾液腺を刺激する 事となります。このように体の機能である反射を利用して唾液分泌を促すのです。

これで、筋肉を無駄に疲れさせることなく、効果的に長時間噛むことができます。そして静かに噛めます!!くちゃくちゃと音を立てて噛むことに嫌悪感を覚える方は多いですよね。

ガムの味でも効果の差があるのです。

実は、唾液を分泌させる効果は、味によっても差があります。

弱 ミント系 < フルーツ系 < 柑橘系 強

唾液分泌を促う効果が高いのは柑橘系の味なのです。興味深いのは、口臭予防にはミント系ガムが多いのですが、唾液による殺菌・消毒・自浄作用に着目した場合、柑橘系のガムの方が、口臭予防効果が高い事となります。もちろん、砂糖を使っていないガムのがお口には良いでしょうね。

自律神経のバランスを整える効果

シトラスはいわゆる柑橘類です。シトラス系の香りには、交感神経を抑え、副交感神経を優位にする中枢神経調整作用、交感神経鎮静作用があるといわれています。

自律神経というのは、交感神経系と副交感神経系の2つの神経系を指します。この2つの神経系のバランスが、自律神経のバランスということです。

一般的に、ストレスが多いというのは、交感神経過多であるということです。つまり、自律神経が乱れていることになります。

リラックスというのは、高ぶっている交感神経を抑えて、副交感神経とちょうどよいバランスを保つということです。

唾液を多く分泌させるガムの味は、シトラス系であると説明しましたが、リラックス効果も期待できるということです。ガム選びの際の参考にしてみください!!

このようにして、「咬む時間」「噛み方」「味」を工夫する事によって、負担を適度にとどめながらも最大限唾液を分泌させ、ガムのメリットを引き出 せるのではないでしょうか。最近は長時間にわたって味が持続するミント系のガムがしばしば見られますが・・・健康と結びつけて考えてみると良し悪しが分かれる所です。

オーラルケアや嗜好品としてガムを噛むメリットは十分にあります。しかしながら、長時間噛み続けたらそれだけ良い効果が期待できるかというと必ずしもそうではありません。「過ぎたるはなお及ばざるが如し」という言葉があるように、首こり、肩こりをご自覚している方は、是非とも心に留めておいていただきたいと思います。

[参考文献12]ガムの味の違いが唾液分泌に与える影響 http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/2272/1/60_22.pdf

[参考文献13]味や香りに対する情動が咀嚼時の循環応答に与える影響 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/21791887.en.html

[参考文献14]顎口腔機能の回復が脳血流に及ぼす影響についての研究 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/19791433.ja.html

体の不調は、様々な因果関係の結果です。

「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えて検査をしても原因となる病気が見つからない状態(不定愁訴)でお悩みの方は多いです。ですから「〇〇を治せば全て解決」という宣伝文句が溢れています。原因と結果、因果律が混同されてしまっている場合が多い上に、宣伝として利用されてしまっている事が患者さんを混乱させる問題点ではないかと考えております。

鍼灸師やマッサージ師がよく言う「背中がハっているから胃が悪い・・・」「足裏が痛いから内臓が悪い・・・」もその例です。胃が悪いと確かに背中 に反応が出る事がある、というだけにすぎません。足裏はもっとあやふやです。

その他「ふくらはぎを揉めば・・・」「尻を叩けば・・・」などからはじまり、中でも特に多いのが「噛み合わせ」「頚椎」「骨盤」の矯正です。たしかに、この3つは人体を構成するとても重要な部分です。しかし、徒手的な方法で本当に矯正されるかどうかは定かではありません。歯科専門医による噛み合わせ矯正は別ですが、カイロプラクティック・整体でボキッと行ったとしても咬合異常は治りません。肩こりも同じです。治りません。

歯ぎしりは、体が必要としている。このように考えてみましょう。

寝ている間に歯ぎしりをするということは、体が唾液を必要としているケースは確実にあるはずです。もちろん、それが全てではないでしょう。歯ぎしりの原因には諸説あり断定はできませんが、歯ぎしりと唾液についての関係は逆流性食道炎でもしばしば話題になる話でもあります。

消化器系に問題があって、そのために唾液が必要だから、睡眠中に歯ぎしりをする、となると、いくら歯ぎしりをしないようにしても、意味がありません。根本の原因の解決になっていません。

肩こりも同じことで、凝った肩周辺の筋肉をいくらほぐしても、それは一時的なもの。また、肩はこります。肩こりの原因は、複数あり、人によって様々なのです。

噛みあわせを治した結果、肩こりが治る場合もあります。

噛み合わせを治せば、肩こり・首こりが治るというのは、ケースバイケースです。肩こりの原因は複数あると申し上げましたが、具体的には大きく三つ(解剖学的な問題・神経生理学的な問題・心理学的な問題)あります。噛み合わせはその中の解剖学的な問題の一つですが、それでしかないのです。

現状、咀嚼筋と首肩の筋肉は関連性がある事がわかっておりますが、咬合異常(噛み合わせ・歯ぎしりなど)を治せば首肩こりが治るとは言えないのです。

実際問題、歯科医師曰く、噛み合わせを完璧にしたのにも関わらず肩こりが改善されない方は多数いらっしゃるそうす。そして、鍼灸マッサージ治療においても筋肉・姿勢・動きの問題を解決したのに、肩こりから解放されない方も、もちろんいらっしゃいます。

一対一の分かりやすい原因と結果だけを追い求めてしまいがちですが、安易な答えの追求は、迷宮です。

同じことの繰り返しで恐縮でございますが、原因の特定できない不快な症状(不定愁訴)は数々の要素が複雑に絡み合って生じます。肩こり・首こりも然りです。不定愁訴の治療は原因をひとつに 決めつけるのではなく、体を総合的にとらえて個人個人の状態に適切な治療を行う必要があります。

かといって当院、肩こり研究所は何でもかんでも行う治療院ではありません。

当院では医学的根拠に基いて、

  1. 解剖学的要因である筋肉を良好な状態とする事(ゆるめるだけではなく鍛えることも含めて)
  2. 神経生理学的要因である自律神経の乱れを調整する事(体性-自律神経反射を利用して調整)、および運動神経を適切に働かせるように促す事(単なる 筋トレではない特殊な運動療法にて)

また、原因と結果、因果律に反した広告宣伝が氾濫している中、それらをしっかりと整理し、何でもありではなく 「できる事とできない事」を明確化し、患者さんにわかりやすくお伝えすることを常に意識して治療を行わせていただいております。

体に良いとされていることは、たくさんありますが、人によって効果の有無は異なります。ご自身でできることは、日々の生活の中で、適度に試してみましょう。要点をおさえ、正しく行えばセルフケアでも十分に効果が期待できるものはあります。

しかしながら、良かれと思って行っていることが、実は間違った方法、自分には合っていない方法で、実践するとかえって悪化してしまうこともあります。

患者さんからいただく質問で「巷で噂の肩こり解消法は本当に効果があるんですか?」の類が大変多いです。当院では、解剖学・生理学に則って適時ご説明させていただいております。

肩こりや首こりの原因は、本当に様々です。

根本治療には少しお手間と時間がかかるかもしれませんが、原因を一緒に探求し、最適な治療法を決めて実践するという、オーダメイドの治療をするのが、肩こり研究所です。

テレビやインターネット上の情報、雑誌、書籍での言われていることを試すのはもちろん自由ですが、様々な方法をいくら実践しても一向に症状が改善されないようでしたら、一度お近くの治療院に相談することをおすすめします(リラクセーションやカイロプラクティックではなく治療院、医院へお願いします!!)。

肩こり・首こりの根本治療を行うにあたっては、噛み合わせや、顎関節に関連する咀嚼筋ついても考える必要があるため、当院では、歯科医を含む医師 等と共同で治療方法の研究に努めております。

痛みなく健康であること・・何よりも大事なことですから。

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katakoriLabs

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