肩こりを科学するブログ

鍼灸マッサージ治療の嘘と本当

鍼灸マッサージ治療の嘘と本当

あべこべ体操の効果を検証

簡単に治る・・・そんな魔法のような治療方法は“ありません”。

鍼灸マッサージ治療はメディアやマーケティング、カリスマ治療家の影響により「何にでも効果がある魔法のようなもの」のように錯覚されがちです。人は、どうしても、楽なもの、便利なもの、コストがかからないもの、無料・・・に惹かれがちです。美味しいもの、好きなものを我慢せず食べてれば、肥満になりますが、痩せることはとても大変なことです。その大変なことを、最後までやりぬくことができない方が大半ですので、簡単な方法、魔法のような方法が氾濫します。流行に流されやすい、飽きっぽい、という人の性格を見透かした上でのマーケティングであり、ビジネスになります。しかし、私は、肩こりや首こり、腰痛などで悩まれている方を本気で救いたいのです。医療に携わるものとして、初心や理想は、一生忘れたくありません。自らを戒めることも必要でしょう。だからこそ、ブログを書き続けていくことには、その意味もあります。

前置きが長くなりましたが、肩こり・腰痛からはじまり各種スポーツ障害はもちろん花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患、胃痛や便秘などの内臓疾患、はたまたリフトアップやシワとりの美容鍼やダイエット目的の鍼など効能としてうたわれるものは本当に多岐にわたります。

でもこれらは「本当」なのでしょうか?

きっと多くの患者さんが思っているはずだと思います。 「本当のことが知りたい」と。

鍼灸マッサージ治療はあくまで物理療法のひとつでしかなく、適応範囲は限定的です。

以下の解説は医療(西洋医学)の観点からのみの解釈となります。患者さんへ対する治療であるならば客観的な裏付けがあるからこそ施術をことができるはずです。

例えば病院。 医師であれば、下痢で来院した患者さんに行う治療は

①下痢止めを処方して下痢を止める

②あえて薬で下痢を止めない

ということを行います。

①は、下痢により脱水が生じ二次的な問題が生じることを防ぐため

②は、下痢は異物除去のための正しい生体反応なので無理に止めるとかえって長引いてしまう

ということを行います。これらは各医師独自の治療方法であっても医学的根拠に基づき実施されます。

しかし鍼灸マッサージ師はどうでしょう?

大部分の治療家は患者さんが下痢だと訴えたら「下痢に効くツボにお灸(鍼)をしましょう」と言うでしょう・・・。この場合は上記①②のような根拠に基づく治療ではありません。鍼灸が下痢に効くか効かないかは別として、何にでも鍼灸を適用させてしまいます。

鍼灸マッサージ師は独自の理論「自分がこう考えたから」「経験的に」「直観で」「〇〇と言われているから」に頼る治療を行います。

その理由はなんでしょうか。

それは「東洋医学」という逃げ道があるからです。もし医療関係者に問われたとしても独自の東洋医学に逃げることができてしまうのです。ここがそもそもの問題点です。

東洋医学は伝統医学、経験医学と言われ昔からの言い伝えや慣習を元に構築されています。言い換えると「何故かわからないけれど、こうやると良くなると言われているから行う」ということです。そして東洋医学独特の「気」や「経絡」といった考え方がありますがこれらはあくまで考え方、思想であり理論ではありません。

東洋医学による診断方法で脈や舌を診て状態を判断する方法がありますがこれにも疑問が残ります。脈診は施術者が手で触れて腕の動脈の拍動を感知して行いますが、手の触れる圧力や触覚は人により異なり感じ方は千差万別のはずです。舌を診る場合は、舌苔(ぜったい)や色や形を診て状態を判断しますがそれだけで体の状態が本当にわかるのでしょうか?

個人的な感性で自分の状態を決定されてしまいあなたは不安ではありませんか?

はたまた足の裏や背中、お腹を触って内臓の良し悪しを判断する場合もありますがこれにもまったくもって客観的根拠はありません。(たしかに胃が痛い時は背中が痛くなったり反応が出ることはありますが、背中が痛いから胃が悪いわけではありません。足の裏と各内臓との関連経路は解剖学的に全く存在しません。)

有名とされる鍼灸マッサージ師は脈や舌、触診等で内臓から体質・性格まで患者さんの全てを把握しますがそれは単なるパフォーマンスです。100年に一人くらいは第6感を持っていて直観で全てがわかるかもしれませんがそんな人はいないも同然です。現在毎年4000名程の国家資格取得者が輩出されていますが、それらがみんな第6感を持っている、または修行により養われるとは到底考えられません。

また、有名になればなるほど神秘的なイメージを演出するようになり、メディアを通して根拠のない独自の理論を大々的に叫ぶため、この業種が占い師や呪術師と変わりない印象を受けて与えてしまい、現代医療からますます隔離してしまっています。少なくとも筆者はこのような鍼灸マッサージ師像、現状に納得しておりません。若き鍼灸マッサージ師がカリスマを目標としてみんながみんな“100年に一人の逸材”を目指しているのはもはや滑稽な話です。

以下にまとめます。

東洋医学の現状におけるネガティブな部分

●鍼灸マッサージが万能治療と考え何にでも適応しようとすること

●説明や会話の中で、つじつまが合わなくなったり、理解があやふやになると最後は「東洋医学的には・・・」というくくりで片づける施術者が多いこと

●根拠があやふやなものでも「良いと言われている」「良いのではないか」というレベルで患者さんに施術を行うこと

●コンプレックスを持っており、開業すると高い確率で医師のまねごとをするようになること

●リラクセーションと大した差がなくなり、治療に対する厳格な評価や良い、悪いをはっきりと言わないこと

 

ということです。このような現状が患者さんの期待を裏切り続けて我々鍼灸マッサージ師の信頼が失われつつあります。(否、もはや失われてしまっているのかもしれません・・・。)

しかしながらポジティブな部分もあります。

●病院は定められた検査項目が陽性とならなければ診断とならず治療対象とならないが、実際は検査値に現れない症状(肩こり・首こり・自律神経失調症などの不定愁訴)に悩まれている方が非常に多く、それらの治療に鍼灸マッサージは適している → 緩和医療には適している (治すことが不可能、または目的でない治療)

ということです。

これを読み「あれ、ポジティブな部分が少ないぞ」と思われた方が多いのではないでしょうか。

そうです。

鍼灸マッサージは魔法ではありませんし万能療法ではありません。あくまでも物理療法の一つであり、適用範囲が限られています。

※物理療法とは温熱や寒冷、電気、触覚といった外的刺激を与えて生体反応を起こさせる治療方法です。鍼は異物を挿入するという機械的刺激。灸は温熱刺激。マッサージは触圧覚を利用した機械的刺激。

そのため、鍼灸マッサージを行うことによっておこる生体反応は決まっています。これにより鍼灸マッサージ治療の限界も同時に存在します。実は鍼灸マッサージ治療の適用範囲とは非常に狭いが本当なのです。

限界を知るからこそ、その最大効果を発揮する適応範囲が決定されます。

「美容」「ダイエット鍼」「体質改善鍼」「冷えムクミ改善」「アレルギー改善」「神経痛改善」「不妊治療」・・・・・などの鍼灸マッサージ治療を受けた方は心から満足いく結果は感じられましたか? おそらくないと思います。実はこれらには大きな嘘が潜んでいます。

これらを行う治療者に問います。

『100人の患者さん相手に説明をし、全員がその治療の内容とメカニズムをきちんと理解することは可能でしょうか?』

『他の現代医療従事者に治療の内容と作用機序を納得してもらえるように説明することができるでしょうか?』

今回は長くなりましたので解説はまた次回にさせていただきます。最後までお読み頂きましてありがとうございます。

 

肩こり・首こりとは具体的にどのようなものなのか、解消するためにはどうすればよいのかについて詳しく知りたい方は「確実な肩こり解消のために必要なこと。治療方法について。」をご覧ください。

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katakoriLabs

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