肩こりを科学するブログ

五十肩の激痛に体の内側から効くという市販薬の効果は本当?簡単に自分でできる意外な五十肩への対処法とは?

五十肩の激痛に体の内側から効くという市販薬の効果は本当?簡単に自分でできる意外な五十肩への対処法とは?

最近、テレビCMや広告で四十肩・五十肩がつらい方へといった市販薬の宣伝を見かけます。五十肩は日常生活に支障をきたしますし、夜眠れないほど痛かったりします。しかし、病院へ行くのが億劫であったり、とりあえずすぐにでも痛み止めがほしい!!バファリンやロキソニンは効くのかよくわからない、そこで、ご近所の薬局で五十肩の痛みに効くとされる市販薬に手を出してしまうのは、仕方のないことです。

しかも「体の中から効く・・」「痛みにズバリ」といった飲めば治るかのようなキャッチコピーに心動かされ、先の見えない痛みに苦しむ患者さんの中には藁をもつかむ思いで購入を考えている方もきっと多いことでしょう。

「痛みが取れなければ、病院へ」なんていうCMもありますが、最初から病院に行けばいいのでは?と思われる方も多いことでしょう。そこで、薬を飲む事で五十肩が改善するものなのか、果たして治るものなのか、その成分と効能を元に検証してみます。

最初にはっきりと申し上げておきますが、一般的な五十肩向けの市販薬の説明には「五十肩を治す」とはどこにも書いてありません。たいてい「諸症状の緩和」と書かれています。なお、痛みが収まる=五十肩が治る、ではありません。

しかし、服用すれば治る、と思ってしまうような宣伝がなされています。

大事なポイント五十肩は、たいてい放置すれば1年ほどで痛みだけは自然と治まる場合が多いです。痛みを感じなくなるまでの間、鎮痛剤の服用し、その結果クスリを飲んで治った、ではないのです。そして、痛みが治まっても五十肩が治ったことにはなりません。再発率も高いです。治療せずに痛みが自然と感じなくなったとしても、残念ながら肩の関節は確実に動かしにくくなります。これは“年齢のせい”ではありません。五十肩は、きちんと治療を行えば、肩の関節が正常に機能するよう元に戻ります。

今回は、五十肩の薬について、五十肩専門治療を行う者として、患者さんの悩みを少しでもスッキリしてもらいたいという思いでこの記事を書いていきます。現在お悩みの方だけでなく、お父さん、お母さんをはじめ身の回りで五十肩で悩んでいらっしゃる方のお役に立てる内容だと思いますので、当記事の内容をお伝えしていただければ幸いです。

五十肩に効くクスリの本当の効果について

五十肩に効くという市販薬がアピールする効能は3つ。

お手元にクスリがある、または、クスリのホームページをご覧の方、説明やキャッチコピーをよく読んでみてください。「痛みを治す」「痛みを解消」「痛みを緩和」「つらい症状を緩和」「体の中から改善」etc…実はすごく曖昧だと思いませんか?痛みを治すとはいっても、五十肩が治ります、とはどこにも書かれていません。とはいえ、治すよりもまず痛みをなんとかしたい!!と思われますよね。実際の五十肩(肩関節周囲炎)のクスリの効能について説明いたします。

五十肩に効くとされているクスリの効能は大きく分けると以下の3点です。

  1. 鎮痛作用
  2. 血流改善作用
  3. 軟骨修復作用(?)

鎮痛作用について

市販薬で鎮痛作用が期待できるのは、消炎鎮痛剤が配合されているものです。消炎鎮痛剤(NSAIDs=Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)とは各種あり、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称でステロイドではない抗炎症薬すべてを含みます。

ペイン・スパズム・サイクル

慢性的な痛みがある場合、痛みを感じる神経が過敏になる場合が多く、普段よりも痛みを感じやすくなってしまっているのです。これがさらに筋肉や精神の緊張を招き、新たな痛みを招いてしまうという悪循環を招きます。この負のスパイラル[Pain-spasm cycle(ペイン・スパズム・サイクル)]を生んでしまうと、長期にわたって辛い状況から抜け出すことができなくなります。

Pain-Spasm-Cycle

出典: http://joshuaoliphantmassage.com/pain-spasm-cycle/

これを回避するためには、痛みを感じ始めた時期(急性期)に鎮痛を図ることが大切なのです。

そこで、五十肩に効くとされている薬の中でよく宣伝されており、ネット上でランキングされている上位の6種類を調べてみると、どれも消炎鎮痛剤(NSAIDs)は含まれていない事がわかりました。代わりに痛み止めの成分として含まれているのはビタミンB群や各種の漢方でした。 神経痛の場合はビタミンB12が処方される場合がありますが、五十肩は神経痛ではありません。また、漢方で血流を改善して痛みを緩和するとのことなのですが、痛みに苦しむ急性期は炎症が盛んなため温めたり血流を良くすると、かえって痛みが増してしまう可能性があるのでこの点は注意が必要です。

では純粋に鎮痛薬という点に的をしぼってみます。 医師によって処方されるお薬(処方箋医薬品・医療用医薬品)には消炎鎮痛剤が十分に含まれているため鎮痛作用が確かにあります。 いわゆる頭痛・生理痛などのための市販の鎮痛薬は第一類医薬品・第二類医薬品に分類され、消炎鎮痛剤(NSAID)が含まれているため、ある程度痛みの緩和には有効です。そのため、急性期の鎮痛には有効と考えられます。

医薬品の分類と消炎鎮痛剤の含有量の表
分類消炎鎮痛剤の含有量
医療用医薬品医師による処方せんが必要★★★★★
一般用医薬品 第1類・・・副作用に注意が必要薬剤師のみ扱える★★☆☆☆
 第2類・・・副作用が少ない薬剤師、登録販売者★☆☆☆☆
 第3類・・・副作用の心配をしなくても良い薬剤師、登録販売者☆☆☆☆☆

とはいえ病院で医師の処方による消炎鎮痛剤と比較すると含まれる成分の量の差は歴然で、その効能の差も明らかです。病院でもらった薬、処方された薬は効きが全然違う、というのは一般的な認識だと思いますが、この理由の一つが、有効な成分の含有量の違いなのです。

血流改善作用について

市販薬で一般的に五十肩・肩関節周囲炎に効くとされている薬は第二類医薬品・第三類医薬品に分類されています。上記でもご説明させていただきましたが、五十肩の薬には消炎鎮痛剤はほとんど含まれておらず、含まれていても微量であり、鎮痛作用は非常にマイルドと思われます。

では、なぜそれらのクスリが五十肩に効くと謳っているのかといいますと、血流を改善することが効果ありとしているためです。配合されている漢方の成分やビタミン剤によって血流の改善を期待するようです。急性期は炎症が盛んなため、血流が増す事で痛みが増してしまう事がありますが、拘縮期以降は血流を増すことで、痛みの緩和などにプラスに働くことは確かに考えられます。これは、服薬がプラスになるというよりは血流改善を促すということは確かに効果的であろう、という意味です。しかし血流改善を求めるだけならば、クスリを服用するよりも、ホットパックや温水などを用いたご自身で行うことができる温熱療法にて直接患部を温めた方が、疼痛閾値を上げる働きもあり痛みの緩和作用としてずっと効果的です。

軟骨修復作用について

グルコサミン、コンドロイチン・・・誰もが名前だけは知っているという知名度抜群の成分です。コンドロイチンのような軟骨成分は五十肩の市販薬に含まれている場合が多いです。大量のCM、通販、さらにはドラマかと思ったらCMだったというように、あの手この手でテレビを見ている人を洗脳した結果、磨り減った軟骨が復活すると信じている人も少なからずいらっしゃいます。そして、五十肩は加齢現象によるものいう認識が広まっているため、加齢 → 軟骨がすり減る → 痛み という図式を想像する方が多いと思います。

五十肩は軟骨が磨り減って生じるものではないという事実

治療家として、はっきりと申し上げますが、五十肩は軟骨がすり減るから生じるわけではありません。この点は多くの方に誤解されている点でございます。先の記事内でご紹介させていただきましたが、レントゲン所見上異常がなく骨や関節軟骨など器質的な異常が見当たらないのに痛みがある場合、そして関節包などの軟部組織が異常を起こしてしまっている状態を「五十肩」といいます。もし骨や軟骨に異常があれば他の診断名がつきます。そもそも肩の関節は膝や股関節と違い、重力の影響を受けにくい関節です。野球・バレーボール・バドミントン・テニス・競泳など肩を酷使するアスリート以外は日常生活をしている限り骨や軟骨がすり減ることはあまり考えられません。

では、磨り減った軟骨が再生すると思われているコンドロイチンやグルコサミンって何の意味があるのでしょうか?

コラーゲン摂取→お肌プルプル・・・気のせいです。効果ありません。

女性には悲しい事実ですが、コラーゲンを摂取しても肌に効果はありません。肌の上から塗っても浸透しません。ただ、コラーゲン自体に保湿成分があるので、化粧品としての効果はあるでしょう。

コラーゲンを摂取しても美肌効果はが無いのとコンドロイチン、グルコサミン摂取の効果はないというのは原理は同じです。それら軟骨成分を摂取しても、実際は消化吸収される際には軟骨としてではなく、分解されてコンドロイチンは乳糖、グルコサミンはブドウ糖として吸収されます。仮に、軟骨成分が腸から吸収された後に体内に入って再び元に戻ったとしても、血液として流れていき関節内の滑液にまで運ばれ、都合よく軟骨がすり減っている部分に集まり、修復されるのを助長することができるかどうかは医学的に疑問が残る所であり、正直な所、疑似科学といわざるを得ない部分があります。

本来、軟骨には血液循環がほとんどなく、代わりに関節内に存在する滑膜から分泌される滑液によって栄養されています。人体の中でも栄養供給の優先度が低く、血液→滑膜→滑液→軟骨 となるため血液中にいくら栄養素が存在していても軟骨に到達するまで間に障壁が存在する事になりますし、生命維持において関節軟骨への栄養供給優先度は低いため、軟骨まで届けられる栄養素は限りなく微々たるものです。関節軟骨は、厳密に言えば若干は再生能力がありますが、画像検査にて観察できる肉眼で確認できるレベルの再生能力は基本的に持ち合わせていないのです。

学術的に「結論」はすでに出ています。

ところが、効果の有無を示した論文が多数出展されており、サプリメント会社やフィットネス関連の方々は推奨する一方、医療関係者は否定するといった形で議論されてきました。医療関係者が否定するので、サプリメントの訪問販売の業者などは「これを医学的に認めると、医者が儲からなくなるから医者は認めない。」などという陰謀論まで持ちだして高額な商品を販売することもしばしばです。

何が正しいのか?

2010年にメタアナリシスが発表されました。メタアナリシスとは複数の研究結果、研究データを計算してまとめて解析、分析したものです。これは、根拠に基づいた医療において、最も質の高い根拠とされます。様々な説がある中で、信頼のおける結果が出ているのです。

結論コンドロイチンとグルコサミンは例え二つを組み合わせて飲んだとしても変形性膝関節症、変形性股関節症への効果、つまり「すり減った骨や軟骨を修復する効果は期待できない

当文献では論文としての形式上膝と股関節に限定しておりますが、直接患部に注射するのではなく経口摂取である限り、成分は血中に入り全身を循環するため膝と股関節へ選択的・限定的に集まるという事は考えにくく、腰・肘・手などといった他の関節・軟骨にも同様と考えて差し支えないと思います。

この結論から、整形外科でしばしば言われる「背骨の間が狭まっている」「関節の隙間が狭くなっている」ことによる痛み・しびれなどに対する作用は全身どこの部位においてもあてはまる事と考えても良いのではないでしょうか。 つまり、グルコサミンやコンドロイチンなどの軟骨修復作用をうたう成分は、例え「医薬品」という表示があったとしても経口摂取である限り、身体各所の変形性関節症・頚椎ヘルニア・腰椎椎間板ヘルニアなどの痛み・しびれを改善する効果(すり減った骨や軟骨を修復する効果=関節と関節の隙間が狭くなってしまっているのを回復させる効果)はプラセボ(心理的作用)以上のものは期待できないと考えて良いでしょう。

ヘルニア=腰痛ではない

ヘルニアといいますと、腰の椎間板ヘルニアが一般的で、ヘルニア=腰痛と思われる方が大半かと思われます。椎間板ヘルニアは、ヘルニアの一種です。

ヘルニアという言葉は、ラテン語で「脱出」という意味です。そこから、体内の臓器などが、本来あるべき部位から脱出した状態を指します。

脱腸やでべそもヘルニアなのです。脱腸は鼠径(そけい)ヘルニアといい、でべそは臍(さい)ヘルニアといいます。

椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部にあるゲル状の組織が外へ出てしまっている状態で、脊髄や神経を圧迫するため痛いのです。主に腰の部分にある椎間板(腰椎)で発症します。ぎっくり腰として発症することもあります。

肝心の椎間板ですが、これは背骨の一つ一つの骨と骨の間にある円形の線維軟骨です。中央部分は髄核と呼ばれるゲル状でその周囲をコラーゲンなどの線維輪が囲っています。骨と骨の衝撃を和らげるクッションのような役割なのです。人間の複雑な動き、運動ができるのは、この椎間板のおかげなのです。

※参考文献  Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis

五十肩の激痛に対する治療について

五十肩には完治するまでに症状によって3つの時期を経ます。これを病期といい、以下の3つの病期となります。

急性期 → 拘縮期(慢性期) → 回復期

このうち最もつらいのは言わずもがな最初の急性期です。急性期の間は夜、痛くて眠れない、僅かでも動かすと激痛が走る、といった痛みのために心身ともに疲弊してしまいます。激痛に苦しむ患者さんには本当に心苦しいのですが、急性期にはどんな治療を施してもいきなり治るということはないというのが実状ですので鎮痛に重点をおく治療となります。

ですので、急性期は炎症をなるべく早く落ち着かせるために肩関節周囲の負担を減らし、余分に動かしたり治療するなど過度の刺激は避け、とにかく安静を図りつつ鎮痛を持続させながら、拘縮期(慢性期)へ移行するのを『待つ』期間です。安静が大事ということは・・・痛みを抑えて、肩が楽に動かせることをアピールしている薬がありますが、服用される方は気をつけてください。痛みが治まった=動かせる、ではないのです。

拘縮期に移行したらはじめて前向きな治療が可能となるのです。痛いからどうにかしようと様々な処置を行う事により、これが刺激となりかえって炎症を助長させてしまい、つらい急性期を長引ませてしまう可能性があるのでこれにも注意が必要です。我慢できず痛み止めやヒアルロン酸の注射をしたが、注射が刺激となって炎症を助長させかえって痛くなってしまったという例はめずらしくありません。

このため、五十肩の治療は病期に合わせて最適な処置を行う必要があります。 病期ごとにどうような治療が適切かはこちらをご参照ください。→『五十肩の原因・症状・治し方 ②五十肩の病期ごとに効果的な治療方法とは ~肩が痛くて1ヶ月以上通院しても改善しない方へ~

はたして五十肩の薬を飲んで五十肩は治るのでしょうか?

五十肩に効くとされる市販薬に消炎鎮痛剤が含まれているようでしたら少なからず(1)急性期における鎮痛作用は期待できます。しかし、医師から処方される鎮痛剤と比べるとその量は微々たるものであり、効果も同様です。処方薬が効かないのに市販薬が効くということは理論上考えにくいです。 消炎鎮痛作用という点でみた場合、効果の程度を比較すると 「処方された消炎鎮痛剤薬 > 市販の消炎鎮痛薬 > 五十肩に効くとされる市販薬」 となります。

血流改善作用におきましては、炎症が盛んな急性期には返って痛みを助長させてしまう可能性がありますので注意が必要です。血流改善が効果的となる可能性があるのは (2)拘縮期以降となります。

軟骨修復作用においては・・・上記でご説明いたしました通り五十肩の治癒とは関係はないでしょう。

これらの事から、五十肩の痛みをどうにかしたくて服薬を検討する場合は「市販薬には医師から処方される消炎鎮痛剤以上の効果を期待することはできない。特に五十肩に効果的と宣伝されている薬の効果は非常にマイルドである事が予想される。」が私の見解です。

結論服薬という手段は急性期における鎮痛には有効だが、それは根本治療にはならない。

“体の内側から効く”というキャッチコピーは、とても効きそうですが、急性期で痛みに苦しむ場合、医師から処方された鎮痛剤以上の効果を市販薬に求めることはできないこととなります。現実問題として、急性期の激痛は処方された鎮痛剤や強いお薬、そして注射をうってもおさまらない事があります。するとつい、「根拠が定かでなく、よくわからないけど効きそうなもの」に頼りたくなってしまう気持ちはとてもわかります。

一見、さも効きそうな効能がうたわれている市販薬やサプリが宣伝広告されていますが、五十肩の痛みをどうにかしたい場合、処方薬を服用する事が最も痛みから解放される手段である事は変わらないでしょう。特に急性期の激痛においては藁をもすがる思いでどうにかしたいとお考えなのは重々承知ではありますが、処方された鎮痛剤が効かないのに鍼灸マッサージはじめ、漢方やその他の療法が効くという事はまずありえない事なのです。

五十肩の薬の効果を知ってガッカリされた方、とっておきの方法をお教えします。

しかしながら落胆しないでください。 そのような方にご自身でできる、とっておきのセルフケア方法があります。それはアイシングです。 古典的な方法ですが、正しく行う事で、意外な効果が期待できます。是非一度はお試しいただきたいと思います。(しかしながらアイシングもあくまで鎮痛目的であるため、ずっと続ければ良いというものではありません。あくまで急性期の痛みをコントロールするための対症療法とお考えください。)

五十肩の急性期における効果的なアイシング方法は 氷嚢(ビニール袋に氷と水を入れた簡易的なものでも良いです)にて痛い部分を20分間程冷やします。 もし、患部が熱感をもっていて何もしないでもジンジン痛いようでしたら、20分冷やした後一旦休憩し、患部の皮膚の温度が常温となるまで待ちます。皮膚の温度が元に戻ったら再度冷却を行います。この行程を痛みが気になる際に行ってください。一日1回、1セット行っていただくだけでもだいぶ楽になると思います。この時の注意点は、凍傷となる恐れがあるため、保冷剤や氷で直接冷やしてはいけないという事です。アイシングとはいえ0℃以下で冷やしてはいけないのです。氷のうは薬局やスポーツ量販店にて安価でお買い求め可能です。

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また、アイシングのしすぎにも注意が必要です。急性期の痛みに苦しんでいる際に、アイシングを行うと、その効果に驚くと思います。するとついついアイシングをたくさん行えば良いと錯覚してしまう場合が多いです。しかしながら、過ぎたるは及ばざるが如しという言葉がありますように、アイシングの行いすぎにも注意が必要です。アイシングを行う時間が過度に長いと例え氷のうを用いていても凍傷を起こす可能性がありますし、常に冷やす事によって返って血流が悪くなり他の痛みを引き起こしてしまう恐れがあるため、行う時間に注意をしていただきまして、繰り返す場合は皮膚の温度が完全に元通りになってから行うようにしてください。

拘縮期(慢性期)以降の服薬の有効性について

一時の激痛や夜間痛などは落ち着いたが、まだ動かすと痛いという(2)慢性期に入ったら、肩甲骨周囲の緊張した筋肉を弛める事とインナーマッスルの強化など肩関節が動くことができる下地作りが根本治療には必要です。血流改善の目的はあくまでも鎮痛のためであり、動かしやすくするためです。つまり運動療法の補助的要素であり、拘縮期において、血流改善のみを行っていても五十肩が治る事はないのです。 五十肩に効くとされる市販薬は拘縮期に入ってからでしたら、強い鎮痛作用を求めることもありませんので、血流改善目的で服用する意味は少なからずあるかもしれません。

しかしながら・・・

『今日の整形外科治療指針 第6版 医学書院』409ページには 五十肩の治療において急性期は鎮痛剤を服用し安静を図るが、拘縮期には基本的に薬物療法の必要は無い。(要点を抜粋させていただきました)

また、『標準整形外科学 第11版 医学書院』420ページには 疼痛が強い時期(急性期)には安静と消炎鎮痛剤の服用や注射などが行われるが、可動域制限が主体の凍結期(拘縮期)に達したらリハビリを中心に行う。(要点を抜粋させていただきました)

と、二つの医学専門書おいて、拘縮期(慢性期=凍結期)には薬の服用が必要ないという事が記載されておりました。

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まとめきちんと治療を行えば五十肩は必ず治ります!!

医学的根拠に基づいた治療という観点から申し上げると、四十肩・五十肩におきましては、急性期においてその場の痛み・辛さを抑えるために消炎鎮痛剤を服薬することは効果的です。拘縮期以降においては、お薬の服用は得てして必要ではないとされています。

しかしながら最も肝心なのは、たとえ薬を飲み続けたとしても根本的に治ることはないという事です。お薬の役目はあくまで、急性期の乗り切るための鎮痛目的です。拘縮期以降、本格的に肩関節の可動性を回復させる治療を受ける前までその場の痛みをしのぐものとして活用していただけたらと思います。

何よりも、五十肩を完治させるためには、病期に応じた適切な処置を行う事が大切です。

例えば、急性期は積極的な安静が必要ですが、拘縮期はたとえ痛くても積極的に動かさなければなりません。痛いからといっていつまでも安静を保ちすぎるのは返って治癒を遅らせてしまう要因となります。このあたりはとても詳細な見立てが必要となりますので、是非、自己判断で病期や状態を判定せず、お近くの専門家にご相談いただけたらと思います。

きちんと治療を行えば五十肩は必ず治りますよ。

補足五十肩に限らず、肩こり、腰痛などの慢性的な症状でお悩みの方へ

慢性的な症状の解決には、ご自身でできる事や、行っていただかなければならない事はもちろんあります。 しかし慢性的な症状となればなるほど、ご自身では気が付かない部分に原因があったり、ご自身の力ではどうにもならない事が治るのを妨げているという場合がしばしばあります。

良かれと思って行っていただいている事や、○○改善本に書かれている事を自己判断で行う事によってかえってマイナスとなってしまっている事もよくあります。

どうしても「劇的な効果」や「自力で治す」という点に着目されがちですが、確実な治療にはそれなりの手順や段階があります。

治療は魔法ではありません。こと東洋医学や鍼灸マッサージ治療は「即効性」や「魔法のような効果」を強調されますが、100人に1人たまたまそのような劇的な効果があったとしても、その1例だけを強調して効果有りとしてしまう良くない慣習があります。

今痛みに苦しんでいらっしゃる方には本当に心苦しいのですが、いきなり症状をゼロにする事は現実問題難しいです。 確実な治療は魔法ではなく、治すためにはある程度の治療回数や時間が必なのです。

症状が安定し、セルフケアを体得し、ご自身で体調管理ができるようになるまで一定期間プロに体を任せるのも現状打開のための一つの手ではないかと思います。

もし、当院へ大切なお身体をお任せいただけるようでしたら、通ってもらうためではなく、一刻も早く治す事を目指して全力で治療にあたらせていただきます。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?また、身の回りの方、ご家族で五十肩でお悩みの方がいらっしゃいましたら、当記事の内容を教えてあげてください。

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