肩こりを科学するブログ

モヤモヤ血管!病院で原因不明とされる身体の痛みの正体

モヤモヤ血管!病院で原因不明とされる身体の痛みの正体

しつこい痛みは血行不良が原因という常識が覆される新事実が発覚!!頑固な肩こり・腰痛にお悩みの方、治療家・トレーナーの方は必見です。

原因不明とされてきた慢性的な痛みの原因は「血管」にあった!!

慢性的な頭痛、肩や首の痛み、関節痛、怪我は治ったけど時々痛む、古傷がたまに疼く、とお悩みの方は大変多いです。

痛みに耐えかね病院にいったものの、整形外科でのレントゲンやMRI検査では異常なしという診断。原因不明ということで湿布や痛み止めを処方され、勧められたリハビリに通うも効果があるのか、ないのか分からない。はっきりしているのは抜本的な解決策が無いということ‥‥痛み止めの注射のためにペインクリニックに通い続ける‥‥そのようなどうしようもない痛みと向き合っている方々にとって大変有効と考えられている治療法があるのです。それは「運動器カテーテル」による治療です。

カテーテル自体はご存知の方も多いと思いますが「運動器カテーテル」という言葉を耳にしたことがある方はそう多くはないでしょう。「運動器カテーテル」は東京都小岩にある江戸川病院の奥野祐次医師が第一人者として行われている治療方法です。

長引く痛みの原因は血管が9割

奥野先生は次のように述べられています。

従来までの考え方では、血流は多ければ多いほど良い、血管はたくさんあった方がいいとされてきました。なぜなら血管は組織に栄養を届けてくれる良いものとしか考えられていなかったからです。しかし、第2章で紹介したように、血管はすべて役に立つわけではなく、正常な血管と病的な血管があります。モヤモヤ血管は役に立たない病的な血管です。役に立たないどころか、モヤモヤ血管そのものが組織の栄養を奪ってしまい、機能を障害します。このため、この病的な血管を減らすことができれば、病気の改善につながるのです。さらに血管周りには常に神経が寄り添って伸びる性質があり、この血管とその周りの神経が痛みの原因だとすると、異常な血管を減らすことは痛みを治療することにもつながります。

出典:「長引く痛みの原因は、血管が9割(奥野祐次氏著)」

「モヤモヤ血管」が最重要キーワード

モヤモヤ血管は、耳慣れない言葉だと思いますが、特定疾患である「もやもや病」は耳にされたことがある方もいらっしゃると思います。モヤモヤ血管はもやもや病とも関係があります。モヤモヤ血管が、具体的にどのような血管なのかについては、後ほど説明します。

まず押さえておいていただきたいポイントは、今まで原因不明とされてきた慢性的な痛みの原因が、モヤモヤ血管という血管の存在にある!!ことです。

もちろんモヤモヤ血管が100%の原因ではないでしょう。奥野先生の著書のタイトルにある「長引く痛みの原因は、血管が9割」とあるように、原因不明とされてきた痛みの原因の90%はモヤモヤ血管である、は人類にとって大変大きな価値ある発見であると思います。

鍼灸マッサージ師として臨床で疑問に感じてきたことの一つが、定説とされていることは本当に正しいのか?ということでした。そして確実に効果がある治療方法を肩こり研究所なりに確立したものの、裏付けとなる医学的な根拠の一部が世の中にないという葛藤があったのです。それが、奥野先生の著書、執筆論文を読み氷解しました。

病院で異常がないとされつつも痛みに苦しむ患者さんを救えるという確信

奥野先生の著書である「長引く痛みの原因は、血管が9割」や奥野先生の執筆論文を読み、今まで私が臨床で感じてきていた疑問が解け、私の仮説が立証されました。点から線になるのを感じました。さらに奥野先生の著書から、従来の医学では異常がないとされつつも痛みに苦しむ患者さんを救いたいという奥野先生の強い意志が感じられ、恐縮ながら大変共感しました。

奥野先生の研究は、まだ途中で、ゴールにはたどり着いていないそうです。とはいいましても、現時点での研究成果は、必ず多くの患者さんの救いとなるという確信があります。

是非とも一人でも多くの方に知っていただきたいと強く思いまして、現在わかっている事を、勝手ながら私自身の経験、考察をまじえながら記させていただきます。患者さんだけでなく、鍼灸マッサージ師・柔道整復師・トレーナーなどメディカル及びコメディカルに関わるに関わる同業の皆さんにも是非知っておいていただきたい内容です。

画期的な「運動器カテーテル治療」

カテーテル治療

まず、カテーテルという言葉は、病院を舞台にしたドラマなどでご存知の方も多いと思います。難しい手術をカテーテルを使って成功させるという場面は、きっと記憶にあることでしょう。

カテーテルは、太さは様々ですが、とっても細い管です。血管の中に通すカテーテルには直径1mm以下のものもあります。

「運動器カテーテル」という言葉は、一般的には馴染みの薄いと思いますので少し解説させていただきますね。運動器とは、関節や骨、筋肉、腱、靭帯など身体を動かすための臓器の総称を指し、それらの異常は一般的には整形外科の専門分野とされています。

カテーテル治療は、元々は狭心症や心筋梗塞など、心臓の血管(冠動脈)がコレステロールなどによって詰まったり、狭くなることで起きる疾患に対する治療法としてはじまりました。病院では循環器内科が担当です。そのような疾患には従来では、投薬による薬物治療か、症状が重い場合は開胸して大がかりな外科手術となる冠動脈バイパス術が一般的でした。

これに対し、手首や足の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、目的とする部分まで到達させて処置を行う方法がカテーテル治療(PTCA治療)です。カテーテル治療のメリットとしては、全身麻酔ではなく局所麻酔で行うため、また、体に大きくメスを入れることもないため患者さんの身体的負担が少ないということが第一にあげられます。

つまり、カテーテルを血管の中を経由して、目的とする運動器へアプローチをする方法が運動器カテーテル治療です。運動器疾患に対しては、これまではこのようなアプローチはされてきませんでした。運動器カテーテル治療は画期的な治療方法なのです。

奥野先生のカテーテル治療はもちろん素晴らしいのですが、何よりも、今までの検査、理論では原因不明とされていた「痛みの原因」をつきとめて「可視化」させたという点が革命的だと筆者個人的には感じています。

腫瘍など病気がある部分には異常な血管が増殖してしまっているという事は以前から知られていました。何故そのように病的な血管が増殖してしまうのか?奥野先生は、この問題の原因を遺伝子レベルで発見し、2012年に論文発表されました。奥野先生は、異常な血管に対する研究のスペシャリストなのです。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22797809

先生は、元々はカテーテルにて癌の治療として腫瘍に栄養を送っている血管を機能させなくする処置を行っていましたが、たまたま乳がん患者さんが肩痛を訴えて肩関節周囲の血管の調べた所、異常な血管が見つかったので、同様の処置を行ったところすぐに痛みが軽減したということがきっかけで、慢性痛と病的血管の関係性を発見するに至りました。

痛みがあるところにはモヤモヤ血管がある

奥野先生の研究によると、3ヶ月以上続く頑固で慢性的な痛みの部分は血流が悪いわけではなく、反対に異常な毛細血管が発達してしまうために生ずるとのことです。

この異常な毛細血管を、奥野先生は著書の中でモヤモヤ血管と称しておりますので、当エントリーでも以下そのように呼ばせていただきます。

モヤモヤ血管がどのような血管かは、以下の写真のピンクの丸の部分にあるうっすらとした血管の集合体です。

カテーテル治療でモヤモヤ血管が消失

このモヤモヤ血管がが発達してしまいますと、その部分に不必要に血流が多くなってしまっています。これが、慢性的な痛みの原因とのことです。

血流が多くなるから痛みが出る。温めた方がいいんじゃないの?と不思議に思われるかもしれません。しかし、突き指や捻挫、火傷をした際に冷やしますよね。温めればけ血行がよくなり冷やせば血行が悪くなる、医学的には、急性期は冷やして慢性期は温めるというのが正解とされています。

奥野先生の研究により、その定説が、実はケースバイケースということがわかってきたのです。

慢性痛の原因は、血流が悪いからではなかった!!血行不良=痛みの原因説は迷信。

痛い部分は血流が悪いためという従来からの通説ですが、この説の根拠について調べてみました。すると痛みのある部分の血流を正確に計測した研究というものは・・・存在しないようです。研究もされていないのに定説・常識のように信じられているのは何故でしょう?

有名なのはペイン・スパズム・サイクル(Pain-spasm cycle)という考え方で、痛みを感じる→交感神経が優位になる→血管が収縮→血流減少→疲労物質・発痛物質の蓄積→さらなる痛み・・・という理論です。

ペインスパズムサイクルの説明図

たしかに理にかなっていますし、現実的にこのような機序で痛みが生じることも勿論あることでしょう。ただ注意しなければならないのは、この理論に交感神経が絡んでいるという点です。理論上、交換神経が絡んでいるが故にストレスが慢性痛や肩こりの原因という安易な決め付けが起こりやすいのです。それゆえにレントゲン・MRIにて異常がなければ心理的要因からではないかと、とりあえずリハビリなど通院を促されるか、心療内科を勧められる例も実際の所あります。たしかに痛いしつらいのに、それをストレスのせいにして片づけられてしまうのは痛みを理解されないという点で患者さんの立場となって考えると、とてもつらいです。

ストレスのせいで片付けられてしまうケースで特に多いのは、肩こりや腰痛です。今まで、実態がない=骨に問題は無いとされてきたために、西洋医学的に異常無しであり治療の仕様が無い、そのため一時的な緩和や快楽のためにマッサージ屋さんに足を運ぶことになり、通い続ける事でさらに慢性化の路をたどるという流れとなってしまいます。実際はそのような患者さんは相当数にのぼることでしょう。

一般の方に限らず医療従事者も含めて誰もが血流は多ければ多い方が良い、という根本的な部分の見解をこれまで疑う余地もなかったわけですね。

血流改善で逆に痛みが増す!!

痛い部分は血流が増加していた・・・これは通説と真逆になることとなります。肩こりなど、レントゲンなど画像所見に現れない慢性的な痛みや不快感がある箇所は血流が悪くなって疲労物質がたまっているから、というのは誰もが疑わないもはや常識となっていました。「血流が悪いから血行を良くしましょう」というのは病院だけでなく、鍼灸マッサージや整骨からはじまり様々なシチュエーションで合言葉、または印籠のごとく使われています。

実際は、血流改善しても症状が改善しない例が少なくないという事実、血流を改善することが本当に良いことなのか?という疑問を私はずっと感じていました。

例えば肩こりで考えると、ひどく慢性化してしまっている方は「いつも決まってここのポイントが凝る」というケースが多いのです。なぜこのようなケースが多いのかと言いますと、患部を温めて血流改善を図っても、温めているその時とその後しばらくは緩和するものの時間が経てば、または温めた部分の皮膚温度が戻ると結局は元の症状が出てきてしまうためです。そして、一時的でも緩和できればまだいいのですが、楽になるはずが逆に疼いて悪化してしまうこともあります。今、この記事をお読みの方で、このような状態に心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

血流が多くなると痛くなる理由

実は、血管と神経はセットで存在するのです。これは解剖学上人体の基本的構造です。血管が新しく出来るということは一緒に神経も新しく生まれます。ですのでモヤモヤ血管にも神経が隣節しています。この神経は慢性痛を伝えるタイプの神経(C線維)でありモヤモヤ血管に血流が増加すると血管が膨張しそれに伴い神経が刺激されて痛みを感じるというメカニズムとなります。

実は肩こり治療を確立する上でぶつかった壁でした。

血流が悪い事が原因であれば、それを改善すれば治るはずが、治らない・・・仮に戻ったとしても、そんなにすぐに戻ってしまうのは血流が悪いことは根本的な原因ではないという仮説を立て、首や肩(腰も含めて)の筋肉に負担をかける原因は何かという事をひたすら掘り下げていって現在の治療方法を確立するに至ったという経緯があります。

モヤモヤ血管が出来る原因

モヤモヤ血管というのは、本来消えて無くなるべき血管の残骸のようなものです。モヤモヤ血管になる前の元の血管は自身の体にとって必要なために作りだすものです。その作り出された血管が役目を終え、無くなるべき血管が取り残されてしまった場合、モヤモヤ血管になるのです。

このモヤモヤ血管の発生のメカニズムを理解するには「炎症」というヒトの生体防御システムを少し理解しなければなりません。

炎症は、赤く腫れる、赤くなって痛む、といった症状でどなたでもどのようなものかはお分かりでしょう。この炎症は、難しく説明すると「細胞に物理的刺激(熱傷・切傷・裂傷などの機械的や放射線や紫外線などによる組織損傷)、病原体感染(ウイルス・細菌などの病原体)、化学的刺激(酸・アルカリなどの化学物質)、アレルギーなどが生じると異物の除去や組織の修復のために炎症という反応が生じる。」ということです。ここで大切なのは炎症は「異物の除去や組織の修復のため」ということです。

炎症には2つのパターンがあります。

炎症は大きく急性炎症と慢性炎症の2つに分かれます。例えば転んで傷ができてジンジン傷むというのは急性炎症です。傷ができてもほとんどの場合、数日たてば痛みは感じなくなり、かさぶたができ、いつのまにか組織が修復されています。こういった場合は傷ができる(組織損傷)・傷口にバイキンが存在する(感染)などの問題が解決されると炎症反応は自然に治ります。生体にとって何かしらのアクシデントが生じて炎症反応が始まると、たくさんの血液が必要になるため患部に対して新生毛細血管ができます。血液をたくさん供給するために新しく血管がつくられるという事です。炎症の特徴的な所見は、赤くなって(発赤)、熱をもち(熱感)、腫れて(腫脹)、痛みを伴う(疼痛)という4つです。これは主に血流が増加するために生じる現象です。

時間が経ち、炎症の元となる原因が排除・解決されると必要以上の血液は不要となるため、新生毛細血管は退化します。では、この炎症の元となる原因がいつまでたっても取り除かれなかったら、もしくは治りかけで再びすぐに同様の刺激が加わったらどうでしょう・・・人体はいつ炎症反応を終わらせて良いかわからなくなってしまうのです。こうなると炎症は慢性化していってしまいます。これが慢性炎症です。慢性炎症は急性のものよりも激しい所見は出ないものの、だらだらといつまでも続いてしまうという特徴があります。このように普通であれば炎症は一時的な反応であるのに対して、元が解消されないがために炎症を終わらせることができなくなり、結果的に毛細血管がいつまでたっても残ってしまい、この余計な毛細血管=モヤモヤ血管になってしまうと考えられます。

もやもや病という難病

もやもや病とは脳の血管に起こる病気で、かつてはウィリス動脈輪閉塞症というのが正式な名前でした。現在では「もやもや病」が正式な名称です。もやもや病は日本人に多発する原因不明の進行性脳血管閉塞症で、脳の血管障害・異常な血管網の存在が原因です。

なぜ、もやもや病という名前なのかといいますと、脳内における異常血管網が、たばこの煙のようにもやもやっとして見えるためです。この血管網は当記事でとりあげているモヤモヤ血管と同じです。

発生原因や場所はことなりますが、新たに作られた血管(側副血行路)であることはモヤモヤ血管と同じといえます。場所が脳なので、研究が進んだり治療が進んできた反面、体の慢性痛の原因としての血管へのアプローチは緊急度が低いがゆえに遅れているというのが実際のところではないでしょうか。

肩こりが病院では治らない、つまり、医学界のみならず世間一般的に治すものという認識がない、という状況と似ていると思います。

モヤモヤ血管の解消で痛みから解放!

ではモヤモヤ血管による痛みを治すためにはどうしたら良いのでしょうか。

現在もっとも有効な方法なのは、冒頭で触れました、奥野先生の専売特許である運動器カテーテル治療でしょう。モヤモヤ血管の近くまでカテーテルを挿入し、薬剤をつかって一時的な塞栓術(血管をせき止めること)を行い、モヤモヤ血管への血流をストップさせます。モヤモヤ血管は組織として未熟なため、血流が乏しくなると自然と消褪していきます。モヤモヤ血管の存在そのものが痛みの原因であれば、モヤモヤ血管そのものを消滅することができれば当然痛みはなくなります。

モヤモヤ血管解消で五十肩のツラい痛みからの解放を実現

運動器カテーテル治療は、長引く五十肩の痛みへ効果的であることを奥野先生は症例報告として論文発表されています。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24618195

五十肩の痛みは深刻です。まず激痛が長期に渡ります。そして腕の動きが制限され、今まで普通に出来ていた何気ない動作にも支障をきたします。そして痛みから不眠へとつながる、そのために本来でしたら服用する必要のない睡眠導入剤などに頼らざるを得なくなることもあるでしょう。何より、本当に治るの?という不安が常にあるわけですから、心身共に疲弊します。これは、患者さんにしかわからない苦しみです。そのような疾患に対して、今までとは違ったアプローチをして成果をあげたのが治療方法が運動器カテーテル治療なのです。

モヤモヤ血管の解消だけでなくモヤモヤ血管を作り出してしまった原因へのアプローチが完治のためには必要です。

当院は、肩こりだけでなく五十肩治療も専門的に取り扱っています。通常、適切な処置を行えばスムーズに急性期から拘縮期へ移行していくのですが、20人に1人くらいの割合で何をやってもなかな急性期から抜け出せず激痛が改善されずに治療が難航してしまう患者さんが実際の所いらっしゃいます。(時間はかかりますが、こういった場合も必ず改善します。激痛が永遠に治らないということではありませんでご安心ください。)運動器カテーテル治療は局所麻酔にて行うため日帰りで手術可能であるという簡便さ、かつ1~2回の治療で効果が得られるという点からも患者さんの負担が少ないという点でメリットは大きいです。今後新たな治療方法として難治性五十肩患者さんの希望の光となるでしょう。少しでも早く痛みから解放されるための手段が増えることはとても良いことだと思います。ただし、モヤモヤ血管が生じてしまった原因があるという事も忘れてはいけません。五十肩の原因ははっきりとわかってはいませんが現時点では、肩関節を構成する筋肉・腱板・関節包・軟部組織などが加齢による退行変性(組織が加齢によって脆くなってしまうこと)や硬化をきたし、機能的動作ができなくなり、そのまま使い続ける事によって微細損傷が繰り返し行われることによって発症するものと考えられています。モヤモヤ血管を無くす処置は痛みを解消する処置としては有効ですが、炎症が生じた原因(=肩関節の機能不全)ではないので、痛みが落ち着いた上で肩関節の機能を回復させるための治療が必要になるということは再発予防にもなりますし、五十肩を完治させる上でとても重要です。

肩こりのツラい症状もモヤモヤ血管を解消すれば治る?

肩こりとモヤモヤ血管は関係あるのでしょうか?

肩周辺の筋肉が凝って痛い、首が痛い、というのも、モヤモヤ血管が肩や首周辺に出来てしまっているためというのは容易に想像できますね。

具体的に肩がこりやすいデスクワークを例に説明しましょう。

デスクでPC作業などで一日中下を向いていたとします。頭の重さは体重の約10%=4~6kg。よく例えられるのがボーリングの球です。首が頭を支えるということは、ボーリングの球を支えているようなものです。ボーリングの球を首の筋肉がずっと支えていることを想像してみてください。首でなくても、手でボーリングの球の何時間も持ち続けていたら、痛くならない人はいません。つまり、ずっと下を向いたままの姿勢でいると、頭を支える首周辺、肩周辺が痛くなるのは自然なことです。

痛みを感じるということは、筋肉にかかった負荷により微細な炎症が生じているということです。ずっと下を見続けることによる筋肉の微細な炎症が首にでるか肩にでるかは人それぞれです。

この首や肩に生じる微細な炎症が数時間後〜数日後に痛みとして表れるのが「筋肉痛」です。筋肉痛は、通常、時間が経てば治ります。炎症が修復されるためです。炎症→修復のサイクルの頻度が高くなると話は変わってきます。たとえば毎日、長時間、下を見続ける姿勢による筋肉の痛みは、常に負担がかかりつづける=炎症の生じさせる原因が常にあるということ、修復することが出来ないのです。これが慢性的な痛みとなります。

悪い姿勢や日常生活における動きの癖は、筋肉が原因による慢性的な肩こり(本態性肩こり)の根本的な原因のひとつです。

奥野先生も『乱れた姿勢や繰り返される負担がモヤモヤ血管を作り出す(著書引用)』とおっしゃっています。モヤモヤ血管は日常生活における悪い姿勢や繰り返しの動作によっても生じるのです。そのため、首肩・腰のモヤモヤ血管ができるのを根本的予防・治療するためには患部だけではなく合理的な姿勢や動きができるように全身を変える事が大切であるといえます。

温めると楽になる!温熱療法とモヤモヤ血管の関係性

「私は肩こり持ちだけど温める事でその後しばらくの間楽になる」という方も中にはいらっしゃると思います。そのような方はおそらく全体に広くコリを感じる、もしくは日によってつらく感じる場所が変わる方ではないでしょうか。このような場合、まだ「筋疲労」の段階であると考えられます。筋肉が疲労し緊張が高まっているのは温めて血流を増加させれば改善は可能でしょう。しかし、「いつもここのポイントがこる」「芯がある」「疼くような痛みとも言えるこり」をご自覚される方は高確率で温めたその時だけというパターンが多いはずです。このタイプこそ、患部にモヤモヤ血管が存在する例であると肩こり研究所は考えています。入浴してリセットできるようならばまだ軽度で治りやすい状態、一方入浴中は良いけれど出たらすぐにコリを感じたり、入浴してもまったく変わらない方はモヤモヤ血管ができてしまっているほど慢性化してしまっていると考えて良いかもしれません。

人体内に存在する総血液量はある程度一定なので、温める事で皮膚など患部周囲の血流が増加すると、相対的にモヤモヤ血管の血流量は減少することになります。これによって温める事によって一時的に改善はするが温度が戻ると再びモヤモヤ血管に血流が集まるのでぶり返してしまうと奥野先生は説明しています。それに加えて、肩こり研究所の見解として、温熱刺激を与えることで痛みを伝達する神経そのものの感受性を低下させることができる。つまり、温めることで閾値が高まる(痛みを感じにくくなる)ため、一時的な鎮痛効果はあるもののこれも温度は戻れば元に戻る、という理由があると考えています。

いずれにしても、温熱療法(リハビリや整骨などにて行う電気療法やホットパックなど)は一時しのぎの域を出ないということは間違いないでしょう。

一時しのぎがの繰り返しがモヤモヤ血管を作り上げてしまう。

一時しのぎではなく、あくまで治すことを目的とする治療家としての立場から申し上げますと、治療のタイミングは、つらい症状が軽度の早期の段階ではじめるのが理想です。その時期は、温めればしばらくの間改善できセルフケアでも対応できるくらいの状態です。この時期にこそ、しっかりと治療を行いますと、根本原因の解消を図りやすいのです。現実問題、このような状態で危機感を感じることはないので、残念ながら治療を考える方は少ないです。

差し迫って困っていないからといって放置することで、だんだんとコリを感じない時間が短くなり、さらに対症療法を続けることによってモヤモヤ血管を作り上げてしまうこととなるからです。肩こりの部分にモヤモヤ血管が存在している事が疑わしいか、そうでないかによって処置の内容が異なってくるため、治療家はそのあたりを見極める術が必要になってくることになりますね。

運動器カテーテル治療以外でもモヤモヤ血管対策は可能

運動器カテーテル治療は直接目視にてモヤモヤ血管を確認しながら処置を行うため確実な方法です。しかし、カテーテル治療が外科手術にくらべて簡便で負担の少ない治療方法といっても体内の動脈の中に管を通しわけなので、施術者の技術がとても問われることになるためどの病院でも受けられる治療ではありませんし、少なからずリスクを伴うものでもありますので誰彼かまわず気軽に行えるというものではありません。

運動器カテーテルでないとモヤモヤ血管を解消できないのでしょうか?そんなことはないのです!!著書内で奥野先生も様々な方法を紹介されています。

代表的なのは注射です。モヤモヤ血管が存在する場所によってステロイドやヒアルロン酸などを注射する事でモヤモヤ血管を減少させる効果が期待できるようです。筆者個人的に興味深かったのは、局所にPRPを注射する方法です。PRPとはPlatelet(血小板)Rich(豊富な)Plasma(血漿)の略で日本語では「自己多血小板血漿(じこたけっしょうばんけっしょう)」といいます。PRP療法は最近ではヤンキースの田中将大投手が肘の靭帯の治療のために行ったので耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。大リーグ・プロスポーツ界での定番化しつつある療法です。その他美容皮膚科領域でもシワ対策など肌を若返らせる治療としても行われています。

PRP療法は自分の血液から血小板を採取して目的とする部分へ再び注入する治療方法です。どういう効果があるのかというと、血小板には、体内の各成分に刺激を与えて活性化し、元気で若返りを促す成長因子という成分が含まれているため、成長因子を含んだ血小板を衰えた細胞に注入することで、細胞が活性化し若返りの効果が得られたり、注射の手技を組み合わせる事で慢性化した炎症をあえて再び炎症を起こさせてそこからの治癒や細胞の生まれ変わりを期待する治療方法です。モヤモヤ血管のある部分、すなわち慢性炎症となってしまっている部分は回復が停滞してしまっているので、PRP療法用いる事で炎症反応を再度喚起させて治癒に向かわせ、モヤモヤ血管の消褪を期待するということを目的としているわけですね。

鍼灸治療とPRP注射の共通点

筆者がなぜモヤモヤ血管にPRPを使うことに興味をもったかというと、意図的に炎症反応を生じさせるという考え方は鍼灸治療とリンクする部分があるためです。

鍼は意図的に傷をつくり、灸は意図的に火傷を生じさせ反射や生体の反応を喚起させるという治療方法です。著書内で奥野先生は、圧痛(押して痛い所)のある部分にはほぼ確実にモヤモヤ血管が存在すると言及しています。そのため、的確に触診ができて、体の3D(三次元)構造を理解して正確に圧痛部分に鍼を刺入する技術が有れば、直接モヤモヤ血管が存在するであろう部分にアプローチし微細な組織損傷を生じさせることができます。つまり鍼治療でも、PRP療法と似たようなメカニズムによる効果を出すことは不可能ではないのです。

ただし、これは筋肉に対してのみです。関節を包み込む袋である関節包の内側は無菌に保たれているため鍼を深く刺入することは感染症を招いてしまうリスクがあるため絶対におすすめできません。

そして、浅い鍼やお灸では血流を改善する効果はたしかにありますが、これらの手法ではその時の痛みを軽減することしかできません。浅い鍼やお灸は本質的には前述した温熱療法のメカニズムと同じことであり、モヤモヤ血管の解消につながることはありません。よって筋肉内のモヤモヤ血管=頑固なコリに対しては技術次第ではありますが鍼治療によっても効果を期待することができそうです。とはいえ、鍼治療だけではモヤモヤ血管がつくられる原因を根本的に解消することは難しいということは患者さん施術者共に理解しておかなければならいポイントです。

一人でもできるモヤモヤ血管対策

奥野先生はセルフケアとして、①運動 ②ストレッチ ③圧痛部分の持続的圧迫 ④喫煙や食生活など生活習慣の改善 を提唱されています。

基本的には痛みやコリを感じる部分をゆっくり動かしたり、ストレッチすると良いのですが、慢性痛を抱える方々の多くはそもそも動かしたくても動かせないし、ストレッチをしても伸びない、という状況となってしまっている方は少なくないと思います。

患部の圧迫については、特に首肩背中などは健康器具などでグイグイおしてしまうのはかえってマイナスに作用してしまう可能性がありますので、ほどほどにしておくのがベストと考えます。

運動方法・ストレッチ方法は様々提唱されていますが、そもそもどれが自分にとってベストな方法なのか、効果がるのかを選別し抽出する作業が必要であり、患者さんが自らそれを行うことは極めて困難な状況といえます。

まずはつらい部分をあまり安静にしすぎず、無理のない範囲でできるかぎり自分で動かしてみましょう。それで改善するならばそれでOKです。しかし、2週間続けてみて変化が感じられない場合はやり方が間違っているか、自分には適していない事を行ってしまっている可能性が高いです。そんな時こそ専門家を利用すべきだと筆者は考えています。運動器カテーテルにてモヤモヤ血管を解消した後に、今後痛みを再発させないために根本的な体の改善を図る目的で治療家・治療院を利用するのも良いと思います。もしどこに行けば良いかわからずお困りの方はこちらをヒントにしていただけましたら幸いです。

治療院の選び方

肩こり研究所の治療とモヤモヤ血管

手前味噌とはなりますが、今までモヤモヤ血管に対して直接的な対処を行っていませんでしたが、肩こりを治すことができていたのはこのような根本的な原因に対してのアプローチを行っていたため、知らず知らずにうちにモヤモヤ血管対策も行っていたことになります。当院の治療方針がひとつ肯定されたといえると思います。奥野先生の研究を、より確実かつ効果的ななアプローチ・患者さんへの分かりやすい説明に活かすことが肩こり研究所の使命であり、奥野先生への敬意だと思っています。

そして何よりも願うことは、これまで解決策がなく、終わりの悩みと付き合い続けなければならない状況だった患者さんが一人でも多く救われることです。筆者も、一人でも多くの患者さんの力となれますよう、治療家として自らのできること、貢献できる事に全力を注ぐ所存です。

長引く痛みの原因は、血管が9割

当エントリーを投稿するきっかけになった奥田先生の著書「長引く痛みの原因は、血管が9割」は、モヤモヤ血管についてだけでなく「痛み」について、大変興味深い内容満載です。心の痛みと肉体的な痛みは実は同じ?痛くて仕方なくて病院いっても異常なし?冷淡に感じるお医者さんが多いのはなんで?そんな疑問にも分かりやすく解説されています。

当記事ご覧の方は、ぜひ「長引く痛みの原因は、血管が9割」を読んでみて下さい。

by
katakoriLabs
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  • katakoriLabs より: 2016/09/10(土) 6:53 PM

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