モヤモヤ血管!病院で原因不明とされる身体の痛みの正体

原因不明の痛みの原因であるモヤモヤ血管とは?鍼灸マッサージとの関係

モヤモヤ血管(新生血管)が出来る原因

モヤモヤ血管(新生血管)というのは、本来消えて無くなるべき血管の残骸のようなものです。モヤモヤ血管(新生血管)になる前の元の血管は自身の体にとって必要なために作りだすものです。その作り出された血管が役目を終え、無くなるべき血管が取り残されてしまった場合、モヤモヤ血管(新生血管)になるのです。

このモヤモヤ血管(新生血管)の発生のメカニズムを理解するには「炎症」というヒトの生体防御システムを少し理解しなければなりません。

炎症は、赤く腫れる、赤くなって痛む、といった症状でどなたでもどのようなものかはお分かりでしょう。この炎症は、難しく説明すると「細胞に物理的刺激(熱傷・切傷・裂傷などの機械的や放射線や紫外線などによる組織損傷)、病原体感染(ウイルス・細菌などの病原体)、化学的刺激(酸・アルカリなどの化学物質)、アレルギーなどが生じると異物の除去や組織の修復のために炎症という反応が生じる。」ということです。ここで大切なのは炎症は「異物の除去や組織の修復のため」ということです。

炎症には2つのパターンがあります。

炎症は大きく急性炎症と慢性炎症の2つに分かれます。例えば転んで傷ができてジンジン傷むというのは急性炎症です。傷ができてもほとんどの場合、数日たてば痛みは感じなくなり、かさぶたができ、いつのまにか組織が修復されています。こういった場合は傷ができる(組織損傷)・傷口にバイキンが存在する(感染)などの問題が解決されると炎症反応は自然におさまります。生体にとって何かしらのアクシデントが生じて炎症反応が始まると、たくさんの血液が必要になるため患部に対して新生毛細血管ができます。血液をたくさん供給するために新しく血管ができてしまうのです。炎症の特徴的な所見は、赤くなって(発赤)、熱をもち(熱感)、腫れて(腫脹)、痛みを伴う(疼痛)という4つです。これは主に血流が増加するために生じる現象です。

時間が経ち、炎症の元となる原因が排除・解決されると必要以上の血液は不要となるため、新生毛細血管は退化します。では、この炎症の元となる原因がいつまでたっても取り除かれなかったら、もしくは治りかけで再びすぐに同様の刺激が加わったらどうでしょう・・・人体はいつ炎症反応を終わらせて良いかわからなくなってしまうのです。こうなると炎症は慢性化していってしまいます。これが慢性炎症です。慢性炎症は急性のものよりも激しい所見は出ないものの、だらだらといつまでも続いてしまうという特徴があります。このように普通であれば炎症は一時的な反応であるのに対して、元が解消されないがために炎症を終わらせることができなくなり、結果的に毛細血管がいつまでたっても残ってしまい、この余計な毛細血管=モヤモヤ血管(新生血管)になってしまうと考えられます。

もやもや病という難病

もやもや病とは脳の血管に起こる病気で、かつてはウィリス動脈輪閉塞症どうみゃくりんへいそくしょうというのが正式な名前でした。現在では「もやもや病」が正式な名称です。もやもや病は日本人に多発する原因不明の進行性脳血管閉塞症で、脳の血管障害・異常な血管網の存在が原因です。

なぜ、もやもや病という名前なのかといいますと、脳内における異常血管網が、たばこの煙のようにもやもやっとして見えるためです。この血管網は当記事でとりあげているモヤモヤ血管(新生血管)と同じです。

発生原因や場所はことなりますが、新たに作られた血管(側副血行路)であることはモヤモヤ血管(新生血管)と同じといえます。場所が脳なので、研究が進んだり治療が進んできた反面、体の慢性痛の原因としての血管へのアプローチは緊急度が低いがゆえに遅れているというのが実際のところではないでしょうか。

肩こりが病院では治らない、つまり、医学界のみならず世間一般的に治すものという認識がない、という状況と似ていると思います。

モヤモヤ血管(新生血管)の解消で痛みから解放!

ではモヤモヤ血管(新生血管)による痛みを治すためにはどうしたら良いのでしょうか。

現在もっとも有効な方法なのは、冒頭で触れました、奥野先生の専売特許である運動器カテーテル治療でしょう。モヤモヤ血管(新生血管)の近くまでカテーテルを挿入し、薬剤をつかって一時的な塞栓術(血管をせき止めること)を行い、モヤモヤ血管(新生血管)への血流をストップさせます。モヤモヤ血管(新生血管)は組織として未熟なため、血流が乏しくなると自然と消褪していきます。モヤモヤ血管(新生血管)の存在そのものが痛みの原因であれば、モヤモヤ血管(新生血管)そのものを消滅することができれば当然痛みはなくなります。

モヤモヤ血管(新生血管)解消で五十肩のツラい痛みからの解放を実現

運動器カテーテル治療は、長引く五十肩の痛みへ効果的であることを奥野先生は症例報告として論文発表されています。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24618195

五十肩の痛みは深刻

五十肩は夜寝ることすらままならないくらいツラい激痛が長期に渡ります。本来でしたら服用する必要のない睡眠導入剤などに頼らざるを得なくなることもあるでしょう。そして痛いから動かせない+関節が拘縮していくため腕の動きが制限され、今まで普通に出来ていた何気ない動作にも支障をきたします。何より、本当に治るの?という不安が常にあるわけですから、心身共に疲弊します。

これは五十肩になった人にしかわからない苦しみです。そのような疾患に対して、今までとは違ったアプローチで成果をあげたのが「運動器カテーテル治療」なのです。

モヤモヤ血管(新生血管)の解消は対症療法です。なぜモヤモヤ血管ができてしまったのか?これが大切です。

「運動器カテーテル治療」は新生血管による痛みに対して有効ですが、すべての痛みに効果があるわけではありません。当然のことながら五十肩の痛みをなんとかするために「運動器カテーテル治療」を受けたのに痛みが改善しない!そんなケースもございます。当院に五十肩専門コースでご来院された方で「運動器カテーテル治療」が効果的だった人もいれば効果なかった人もいます。長引く痛みの原因の多くは新生血管かもしれませんが、全てではないということ、これは大切なポイントです。

四十肩・五十肩には大きく分けて3つの期間があります。急性期→拘縮期→回復期の3つで順に移行していきます。急性期がもっとも辛く、できるだけ早く拘縮期へ移行するよう治療を行うのですが、20人に1人くらいの割合で何をやってもなかな急性期から抜け出せず激痛が改善されず治療が難航してしまう患者さんが実際の所いらっしゃいます。(時間はかかりますが、こういった場合も必ず改善します。激痛が永遠に治らないということではありませんでご安心ください。

その場合にとても効果的なのが運動器カテーテル治療です。

運動器カテーテル治療は局所麻酔にて行うため日帰りで手術可能であるという簡便さ、かつ1~2回の治療で効果が得られるため、患者さんの負担が少ないというメリットはとても大きいです。今後新たな治療方法として難治性五十肩患者さんの希望の光となるでしょう。少しでも早く痛みから解放されるための手段が増えることはとても良いことだと思います。

運動器カテーテル治療を受けた後に当院にいらっしゃる方を治療する場合、確実に根治までのスピードが早いです。

ただし、モヤモヤ血管(新生血管)を解消して痛みがなくなったとしても、モヤモヤ血管(新生血管)が生じてしまった原因がることを忘れてはいけません。五十肩の原因ははっきりとわかってはいませんが現時点では、肩関節を構成する筋肉・腱板・関節包・軟部組織などが加齢による退行変性(組織が加齢によって脆くなってしまうこと)や硬化をきたし、機能的動作ができなくなり、そのまま使い続けることによって微細損傷が繰り返し行われることによって発症するものと考えられています。

モヤモヤ血管(新生血管)を無くす処置は痛みを解消する処置としては有効ですが、炎症が生じた原因(=肩関節の機能不全)ではないので、痛みが落ち着いた上で肩関節の機能を回復させるための治療が必要になるということは再発予防にもなりますし、五十肩を根治させる上でとても重要です。

肩こりのツラい症状もモヤモヤ血管(新生血管)を解消すれば治る?

肩こりとモヤモヤ血管(新生血管)は関係あるのでしょうか?

肩周辺の筋肉が凝って痛い、首が痛い、というのも、モヤモヤ血管(新生血管)が肩や首周辺に出来てしまっているためというのは容易に想像できますね。

具体的に肩がこりやすいデスクワークを例に説明しましょう。

デスクでPC作業などで一日中下を向いていたとします。頭の重さは体重の約10%=4~6kg。よく例ボーリングの球に例えられますね。首が頭を支えるということは、ボーリングの球を支えているようなものです。ボーリングの球を首の筋肉がずっと支えていることを想像してみてください。首でなくても、手でボーリングの球の何時間も持ち続けていたら、痛くならない人はいません。つまり、ずっと下を向いたままの姿勢でいると、頭を支える首周辺、肩周辺が痛くなるのは自然なことです。

痛みを感じるということは、筋肉にかかった負荷により微細な炎症が生じているということです。ずっと下を見続けることによる筋肉の微細な炎症が首にでるか肩にでるかは人それぞれです。

この首や肩に生じる微細な炎症が数時間後〜数日後に痛みとして表れるのが「筋肉痛」です。筋肉痛は、通常、時間が経てばおさまります。炎症が修復されるためです。炎症→修復のサイクルの頻度が高くなると話は変わってきます。たとえば毎日、長時間、下を見続ける姿勢による筋肉の痛みは、常に負担がかかりつづける=炎症の生じさせる原因が常にあるということ、修復することが出来ないのです。これが慢性的な痛みとなります。

悪い姿勢や日常生活における動きの癖は、筋肉が原因による慢性的な肩こり(本態性肩こり)の根本的な原因のひとつです。

奥野先生も『乱れた姿勢や繰り返される負担がモヤモヤ血管(新生血管)を作り出す(著書引用)』とおっしゃっています。モヤモヤ血管(新生血管)は日常生活における悪い姿勢や繰り返しの動作によっても生じます。そのため、首肩・腰のモヤモヤ血管(新生血管)ができるのを根本的予防・治療するためには患部だけではなく合理的な姿勢や動きができるように全身を変えることが大切であるといえます。

温めると楽になる!温熱療法とモヤモヤ血管(新生血管)の関係性

「私は肩こり持ちだけど温めることでその後しばらくの間楽になる」という方も中にはいらっしゃると思います。そのような方はおそらく全体に広くコリを感じる、もしくは日によってつらく感じる場所が変わる方ではないでしょうか。このような場合、まだ「筋疲労」の段階であると考えられます。筋肉が疲労し緊張が高まっているのは温めて血流を増加させれば改善は可能でしょう。しかし、「いつもここのポイントがこる」「芯がある」「疼くような痛みとも言えるこり」をご自覚される方は高確率で温めたその時だけというパターンが多いはずです。このタイプこそ、患部にモヤモヤ血管(新生血管)が存在する例であると肩こりラボでは考えています。入浴してリセットできるようならばまだ軽度で治りやすい状態、一方入浴中は良いけれど出たらすぐにコリを感じたり、入浴してもまったく変わらない方はモヤモヤ血管(新生血管)ができてしまっているほど慢性化してしまっていると考えて良いかもしれません。

人体内に存在する総血液量はある程度一定です。温めることで皮膚など患部周囲の血流が増加すると、相対的にモヤモヤ血管(新生血管)の血流量は減少します。つまり温めることによって一時的に痛みは改善しますが、温度が戻れば再びモヤモヤ血管(新生血管)に血流が集まるので痛みがぶり返してしまうと奥野先生は説明しています。それに加えて、katakori LABSの見解として温熱刺激を与えることで痛みを伝達する神経そのものの感受性を低下させることができる。温めることで閾値が高まる(痛みを感じにくくなる)ため、一時的な鎮痛効果はあるもののこれも温度は戻れば元に戻る、という理由があると考えています。

いずれにしても、温熱療法(リハビリや整骨などにて行う電気療法やホットパックなど)は一時しのぎの域を出ないということは間違いないでしょう。

一時しのぎがの繰り返しがモヤモヤ血管(新生血管)を作り上げてしまう。

一時しのぎではなく、あくまで治すことを目的とするセラピストとしての立場から申し上げますと、治療のタイミングは、つらい症状が軽度の早期の段階ではじめるのが理想です。その時期は、温めればしばらくの間改善できセルフケアでも対応できるくらいの状態です。この時期にこそ、しっかりと治療を行いますと、根本原因の解消を図りやすいのです。現実問題、このような状態で危機感を感じることはないので、残念ながら治療を考える方は少ないです。

差し迫って困っていないからといって放置することで、だんだんとコリを感じない時間が短くなり、さらに対症療法を続けることによってモヤモヤ血管(新生血管)を作り上げてしまうこととなるからです。肩こりの部分にモヤモヤ血管(新生血管)が存在していることが疑わしいか、そうでないかによって処置の内容が異なってくるため、セラピストはそのあたりを見極める術が必要になってくることになりますね。

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